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警察の特殊部隊「SAT」が強行突入した事件とは

日本のハイジャック史上初めて強行突入が行われたのは、1995年6月の全日空857便ハイジャック事件でした。この時、投入されたのが警察の特殊部隊「SAT」です。SATは現場の危機的状況を、狙撃などで排除することを大前提としています。英語表記の「Special Assault Team」から「特殊急襲部隊」とも呼ばれます。


警察の特殊部隊「SAT」が強行突入した事件とは

ハイジャック事件に特殊部隊を投入

全日空857便ハイジャック事件は、53歳の男性が東京発函館行きの航空機を山形県上空で占拠し、函館空港で乗客365人と乗務員を人質に機内に立てこもったもの。犯人は、アイスピックのようなもので客室乗務員を脅して乗客を後部座席に集め、「給油をして東京へ戻れ」と要求しました。

「尊師のためにハイジャックした」などと語り、液体の入ったビニール袋を突き刺すふりをするなど、オウム真理教との関連や、その年の3月に起きた地下鉄サリン事件を連想させて脅しをかけたのです。

このため、コックピット内にいた機長は管制塔に対して「もう何人か殺されている」「爆弾のタイマー音が聞こえる」「早く給油してくれえ!」などと声を荒らげ、完全なパニック状態。ここで投入されたのが、警視庁第六機動隊特科中隊。防弾ヘルメットと防弾チョッキを装着した同隊や北海道警の特殊部隊計30人です。

事件をきっかけに特殊急襲部隊が発足

特殊部隊は機内からは死角となる機体後尾から接近。独自に開発したハシゴと足場を組んで機体左側3つのドアを確保し、2人は主脚後部の整備用入口から進入して犯人のいるキャビンの床下に到着。一斉に突入し、犯人を取り押さえました。

投入された部隊には公式な名称はなく、警察内でもほとんど存在を知られていなかった秘匿部隊でした。しかし、この全日空ハイジャック事件をきっかけに正式に公表され、特殊急襲部隊「SAT」として発足したのです。

結局、凶器はドライバー1本だけ、オウムとも無関係の単独犯行でしたが、影の存在だった特殊部隊を「対テロ戦」の表舞台に引き出し、「有事への備え」「武力による解決」を世間に認知させる結果をもたらした歴史的な事件といえるでしょう。

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