警察で警務部が出世エリートコースと呼ばれる理由

警察のエリート部署というと殺人や強盗といった強行犯を扱う捜査一課をイメージしがち。しかし、実は配属希望ナンバーワンといっても過言ではない警察のエリート部署は「警務部」です。「警察の頭脳」といわれるエリート部署である警務部や警務課に配属希望が殺到します。警察で警務部が出世エリートコースと呼ばれる理由を見ていきましょう。警視庁の警務部はキャリアにとってもエリート部署なのです。

警察で警務部は希望者が殺到するエリート部署

総務や広報、会計を担当するのが警察のエリート部署である警務部ですが、警視庁や大阪府警などのように総務部として独立させて設けているところもあります。事務を担当する内勤部署ということもあり、現場志向の強い警察官に警務部はエリート部署どころか敬遠されるという印象をもたれがちです。

しかし、警察で警務部は配属希望者が殺到する警察のエリート部署。その理由は、警察でエリート出世するには警務部の勤務形態が大きく影響するからです。というのも、ノンキャリアの警察官がエリートとして昇任するには、年に1回の昇任試験に合格する必要があります。

警察エリートになるための昇任試験の受験資格は、警視庁であれば巡査部長の試験を受けるのにⅠ類（大卒程度）採用者なら1年、Ⅱ類（短大卒程度）は3年、Ⅲ類（高卒程度）なら4年以上の勤務実績が必要です。

警察エリートになるための昇任試験の受験資格は警部補なら巡査部長として、Ⅰ類は1年、Ⅱ類は2年、Ⅲ類類で3年以上の実績が必要になります。さら警察エリートになるための昇任試験の受験資格は警部なら、採用区分に関係なく警部補として4年以上の実績がいるのです。

警視庁の警務部はキャリアでもエリート

つまり、警察でノンキャリアが警部補までにエリートとして上り詰めるには、その度に昇任試験が必要になるということ。しかし、多忙な部署にいてはエリートを目指しての受験勉強もままなりません。その点、警察内でも警務部はほぼ定時で勤務が終了。警察でも警務部は休日出勤もまれなので、警察エリートになるための試験勉強に費やす時間も確保できるのです。

さらに、「警察の頭脳」とまで呼ばれている警務部に配属されるのはエリートとみなされる警察官が多く、警察の出世に欠かせない人脈作りにも有利に働きます。

そんな警察の警務部の中でも、特に出世エリートコースといわれているのが人事課。人事は組織にとって重要なポジションを占めるため、警察でも警察庁から派遣されたエリート、いわゆるキャリアが務めることが多いのです。