パトカーの最高速度が制限速度を超える条件とは

街中を走行している「白黒パトカー」は、実は大きく2種類に分けられます。一方は一般的な犯罪の取り締まりのためのパトロール中心ですが、もう一方はスピード違反などの交通違反の取り締まり専用。しかも、交通違反取り締まり専用のパトカーの最高速度は覆面パトカーも含めて制限速度を超えて走行することもできるのです。

パトカーの最高速度が制限速度を超える

駐車違反の取り締まりなどを中心に活躍するミニパトなどを除くと、白黒パトカーは「無線警ら車」と「交通取締用四輪車」の2種類に大別できます。無線警ら車は一般的な犯罪を取り締まる部署が使用する白黒パトカー。交通取締用四輪車はその名の通り交通違反取り締まりが中心の白黒パトカーです。

交通取締用四輪車の白黒パトカーは、覆面パトカーも含めてほとんどが各都道府県警にある交通部に所属する「交通機動隊」や「高速道路交通警察隊」に所属しています。無線警ら車の白黒パトカーと違い、スピード違反を取り締まる際の最高速度は覆面パトカーも含めて道路交通法上、制限速度を超えて走ることができます。

ただし、覆面パトカーも含めてパトカーが制限速度を超えた最高速度で走行するには、赤色回転灯を必ず回すという条件付き。覆面パトカーも含めてパトカーが制限速度を超えた最高速度で走行するにはサイレンも原則、鳴らすことになっていますが、取り締まりに必要な場合に限り、政令で免除されています。

一方、無線警ら車の白黒パトカーの場合、赤色回転灯を回しサイレンを鳴らしても緊急車両扱いになるだけ。この場合、パトカーの制限速度を超えた最高速度は2車線以上の高速道路が100km/h、その他の道路は80km/hになります。

パトカーの最高速度で制限速度を無視する

無線警ら車、交通取締用四輪車とも、全国各地でトヨタ・クラウンが大半を占めています。これは、警察庁が全国で使う分をまとめてトヨタ自動車から購入しているため。同じクラウンばかりでどうやって見分けるのという疑問が湧きますが、実はポイントがあります。

制限速度を超えた最高速度が緊急車両扱いまでの無線警ら車のパトカーと、制限速度を無視できる最高速度の交通取締用四輪車とは、じつはルーフ上の赤色回転灯の取り付け方で判別可能です。

無線警ら車のパトカーは昇降式の赤色回転灯を搭載するため、昇降機が格納された白いボックスを赤色灯の下に設置。一方、制限速度を無視できる最高速度の交通取締用四輪車のパトカーは高速性能を重視するため、赤色回転灯は天井へ直付けです。

パトカーの最高速度が制限速度超えのGT-R

また、トヨタ・クラウンの場合、旧型の200系パトカーは無線警ら車、制限速度を無視できる最高速度の交通取締用四輪車ともロイヤルサルーンがベース車両のため車種による判別はできませんでした。

しかし、新型の210系パトカーからは制限速度を無視できる最高速度の交通取締用四輪車のみベース車両がアスリートに変更。210系クラウンのパトカーの場合、ロイヤルサルーンのフロントグリルが水平なのに対し、制限速度を無視できる最高速度のアスリートは斜め格子。ここでも制限速度を無視できる最高速度のパトカーかどうかを覆面パトカーも含めて見分けることが可能です。

クラウン以外にも制限速度を超えた最高速度の白黒パトカーは存在します。例えば、栃木県警が持つ日産・GT-Rは制限速度を無視できる最高速度の交通取締用四輪車。現在、制限速度を無視できる最高速度のGT-Rパトカーは高速道路交通警察隊で活躍中です。