VR-160(八重洲無線)は超小型ボディに多彩な機能
ハンディ機を選ぶ際は基本性能だけではなく、重さやサイズも考えるものです。価格相応のデザインや質感も、常に携行するハンディ機という道具にあってはとても重要になります。それらを実にバランスよくカタチにしたのが、八重洲無線のテンキーレス広帯域受信機「VR-160」です。
VR-160の多機能はテンキーレス最高
VR-160は長年のライバル、アイコムの「IC-R2」と「IC-R5」におよばない部分が多かった「VR-120」から始まったテンキーレスモデルの最新型。VR-160はこの悪しき流れを断ち切るため、ライバルに真っ向勝負を仕掛けた製品なのです。メーカーのその意気込みは、VR-160のスペックを見ればすぐに読み取ることができます。
現在のライバルであるアイコムの「IC-R6」はベストセラー機の余裕か、IC-R2以来のデザインを踏襲しており、VR-160はIC-R6よりもコンパクトなボディになっています。カバンや胸ポケットに収納しても邪魔に感じることはありません。また、メインダイヤルには機械式のロック機構があり、携行中の誤操作を防止します。
VR-160の多機能さはテンキーレスモデルでは、最高に多彩であると断言できます。セットモードは、なんと61も用意されているのです。
VR-160はドットマトリクス方式
これらのモードを分かりやすく表示するために、VR-160のディスプレイにはドットマトリクス方式を採用。ディスプレイ自体が小さいので文字が小さくなるため、ちょっと見にくいところはありますが、アルファベット順に5項目が同時に表示されるため、選びやすさは十分に確保。また、メモリーネームにはカタカナが使えます。
VR-160の多彩な機能は受信に直接関わる機能以外にもあり、例えば、本体上面にあるACC端子の動作方法がセレクト可能です。
“LINEIN”を選択して、ポータブルオーディオプレーヤーと接続。八重洲無線独自の機能であるAF-DUAL機能を動作させることで、スキャン中に音楽を聞くことができるのです。電波が入感してスケルチが開けば、おもしろ無線の交信が聞こえてきます。
VR-160のイヤホンアンテナの動作
Sメーター表示の形状を変更、バッテリーの電圧を表示することも可能。VR-160を自分の好みに合った仕様にカスタマイズする楽しみを味わえます。
VR-160の受信感度はAMラジオ放送はバーアンテナが小さくなった影響もあり、先代の「VR-150」よりやや悪くなっています。FMラジオ放送はローカル局なら十分に聞ける能力を持ちます。
VR-160は鉄道無線については誘導無線の下限側の感度がやや悪いものの、私鉄やJRのA/Bタイプは良好です。キレのよい空線信号キャンセラーとのコンビネーションも最高です。ただし、イヤホンアンテナはFMラジオ放送帯でしか動作しないのが、ボディが小さいだけに残念ですが…。
VR-160は高級機のような機能搭載
VR-160の消防無線の感度はIC-R6と同等で良好ですが、UHF帯エアーバンドはあまり得意ではありません。200~300MHz帯の感度がやや抑え気味だからです。とはいえ、空港や基地周辺で受信するには問題ないレベル。VR-160のアンテナを専用モデルに交換することで、簡単に改善できます。
VR-160には高級機に装備されるような機能までもが搭載されています。周辺の周波数で電波が出ているのかを、視覚的に確認できるバンドスコープ機能や、サーチ範囲を設定できる周波数カウンター機能です。
小型でスタイリッシュ、基本性能が高くて多機能な受信機が欲しいのなら、次世代機ともいえるVR-160に決まりです。
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