有料放送が見放題「万能CATVチューナー」とは?
テレビ放送がまだアナログだった時代、ケーブルテレビの有料チャンネルはアナログでスクランブルをかけられていました。映像はスクランブルがかかっていても音声は普通に聞こえるという仕組みでした。そんなケーブルテレビのスクランブルを有料契約することなく解除できる「万能CATVチューナー」が当時は一大ブームとなったのです。

万能CATVチューナーが大人気商品に
2000年代前半、海外でCATVのスクランブルを突破できるチューナーが、国内では「魔法のCATVチューナー」として3万円ほどでひっそりと発売されました。最初は誰も信じませんでしたが、技術的興味からトライする人が現れ、そのうち某電気街で爆発的に広がり始めたのです。
この万能CATVチューナーは老舗の専門店でも扱うほどで、コロナ流行で不足したマスクと同じように、入荷したらすぐに売れてしまうぐらいの大人気商品に成長。月1000台は売れたようです。しかし、2か月ほどで規制が入りました。
某協会の職員が1店ずつ訪問しては「公表して裁判する」と脅して回ったため、万能CATVチューナーの店舗での販売は終了。あっという間のブームだったのです。ただし、その後もネット通販での販売は続いていました。
この万能CATVチューナーのポイントは「アベンジャーボード」という基板です。RCA映像信号のみを解析して、同期信号の「カス」を見つけて何となく元に戻していました。安価に何となく見られればいいという需要が大きく、それでも広く普及したようです。
万能CATVチューナーは同期が崩れる
とはいえ、万能CATVチューナーは適当に復号して何となく見られるようにしているのであり、完璧に復号しているわけではありません。本当の復号は、音声信号に隠されていた同期信号を抽出して、映像信号に付加させなければなりませんでした。
このため「数秒に1回同期信号が崩れる」という欠点が万能CATVチューナーにはあり、画質を求めるアニメ愛好家などには不向き。また、腕に覚えのあるマニアが、このアベンジャーボードのみを入手して、CATVの周波数までカバーしているビデオデッキに内蔵したりしたものです。
アベンジャーボードが内蔵された万能CATVチューナーは数種類ありましたが、性能的にはどれもあまり差がありません。製造メーカーはKorea とChinaで、性能はほとんど変わりませんでしたが、耐久性はKoreaの方が若干優秀でした。
万能CATVチューナーは総輸入元が同じらしく、出来上がったものを片っ端から日本に引っ張ってきたといわれています。今だから書けますが、万能CATVチューナーの解像度はなんちゃってS端子だったので、最大400本以下でした。
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ラジオライフ編集部

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