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航空機の無線がFMでなくAMを使い続ける理由

旅客機でも戦闘機でも航空機の航行には無線連絡が欠かせません。両機は運動性能も飛行目的も異なるため、使用している周波数帯はそれぞれVHF帯とUHF帯とまったく別々です。しかし、どちらの航空無線もAMモードであることは変わりません。航空機の無線はなぜFMでなくAMを使い続けるのでしょうか。


航空機の無線がFMでなくAMを使い続ける理由


航空機の無線は唯一AMモードを採用

最近の無線通信ではデジタルモードもありますが、メインはやはりFMモードです。対して、航空機の無線はメジャーな無線通信の中で唯一、AMモードを採用しています。航空無線がAMモードを使い続けている理由を見ていきましょう。

そもそもAMとは、振幅変調(Amplitude Modulation)の頭文字を取ったもので、電波の強弱で情報を伝達する方式。FMの周波数変調(Frequency Modulation)に比べて、音質が劣ったりノイズに弱いことがデメリットです。

それでも、航空機がAMモードの無線通信を使い続ける理由は、弱い電波に強い電波がかぶってきても、かき消されないことにあります。同じ周波数に複数の航空機が出てきても、強い電波にかき消されることなく伝わるのがAMモードの特徴です。


航空機の救難通信がかき消されない

夜間にAMラジオ放送が混信して、強い電波の後ろから弱い電波が聞こえてくるのはこのため。遠方を飛行する航空機の救難通信を、近くを飛行する航空機の無線がかき消すことなく管制塔は受信できるというわけです。

すなわち、航空機の安全な運航に欠かせない電波特性が、航空機の無線でAMモードが使われ続けている理由になります。このほか、無線機の回路構成がシンプルで、狭い帯域でも音声を送れることもメリットです。

航空無線は世界共通のシステムなので、デジタル化はないと言われています。すべての航空機の無線機を一斉に入れ替えることは、ほぼ不可能だからです。その意味で、航空機の無線は末永く受信が楽しめるジャンルといえるでしょう。

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