radiko.jpはAM/FMラジオの境界線を崩した伏兵
今までAMラジオ局とFMラジオ局とは、放送内容やリスナー層の違いから、同一エリアでうまくすみ分けができていました。それがFM補完放送によって、AMラジオ局がFMバンドに進出できるようになったわけです。しかし、それより先に「radiko.jp」がエリアの概念を打ち崩していました。
radiko.jpの有料会員は15万人
FM補完放送はAMラジオ局にとって、新規リスナー獲得の大きなチャンス。FMラジオ局にとっては、リスナーを奪われる危機的な局面が訪れることになったのです。
そんなサービスエリアの概念を打ち崩した伏兵が「radiko.jp」です。2016年1月の月間利用者数は1,200~1,300万人。有料のradiko.jpプレミアム(エリアフリーの聴取サービス)の会員数は15万人といわれています。
radiko.jpユーザーの1%強なので、まだまだ大きなムーブメントにはなっていないradikoプレミアム。しかし、この15万人は極めてラジオにアクティブな15万人です。
radiko.jpがすみ分けを崩した
実際、さまざまなラジオ番組を通じて聞こえてくるリスナーの住所も、地元でないものが目立つようになってきました。radiko.jpはすでにエリアのすみ分けを崩しているのです。
ラジオ局側も、制作現場の人間はもちろん、技術、営業、編成、広報に至るまで、総務省によって囲まれていたサービスエリアの壁が音を立てて崩れつつあることを肌で感じています。ベルリンの壁ではありませんが、崩れる時は一瞬です。
既得権としての放送ではなく、サービスエリアにしても電波にしても、AMラジオ局が必死で取りに行った結果、FM補完放送の解禁につながり、新たなサービスエリアとリスナーを獲得していきました。2016年もradiko.jpを含めたラジオ放送の動向に注目です。(文/手島伸英)
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ラジオライフ編集部
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