盗聴器発見のプロが調査で使っている受信機は?
東和通信社・藤井正之氏は、日本における盗聴器発見業の第一人者。一般家庭・企業・政治団体など広く相談・調査に応じてきました。そんな盗聴器発見のプロは調査でどんな受信機を使っているのでしょう。藤井氏の盗聴波の実態調査に同行して、最近の盗聴事情についても聞きました。
盗聴器の定番の周波数をスキャン
藤井氏の調査機材が詰まった“営業車”に乗り込むと、運転席の横にはアイコムの固定タイプの広帯域受信機「IC-R8500」、ダッシュボードにはアイコムの車載タイプの広帯域受信機「IC-R100」が置かれていました。
IC-R8500はルーフのモービルアンテナに接続され、広域で盗聴器の電波を受信。IC-R100にはハンディ用のアンテナが付いており、こちらは盗聴器の発信源を特定するためのものです。20年以上、車載機として愛用している受信機です。
どちらの機材もスキャンするのは、藤井氏が20年ほど前に提唱した「UHF帯の3波」と呼ばれる盗聴波における定番の周波数。クルマで流しの受信をする際は、この3波で十分なのです。
盗聴器を仕掛けるのは家族が多い
そんな藤井氏は「一般家庭の盗聴は、明らかに増加傾向にあると感じています。相続や浮気といった家庭内の問題です。特に浮気調査の場合、興信所に依頼せず、盗聴器を買ってきて自分でやってみる人が増えているようです」と話します。
「盗聴の情報はネットで調べられますから。盗聴器を誰でも簡単に買える時代を反映しています」とのこと。盗聴器を仕掛けているのは親戚を含めた家族が多いといいます。「一般家庭に仕掛けられた盗聴器の大半は家庭内盗聴」なのです。
このほか「小さな会社は営業マンが出かけると、社長と女子社員が2人きりというところも。そうなると、社長と社歴の長い女子社員が不倫しているなんてことがよくあるんです。そこで社長の奥さんが、会社に盗聴器を仕掛けるケースがあります」。盗聴してる人は必ず近くにいることを考えれば納得できる話です。
■「盗聴器発見」おすすめ記事
盗聴器の発見方法はハンディ受信機のスキャン
盗聴器が発見される場所を知っていて損はない
盗聴器発見のプロが語るアナログ盗聴の現在
盗聴器の見つけ方がわかるセルフチェックの手順
盗聴器の見つけ方!大型トラックで場所を特定
■「盗聴器」おすすめ記事
盗聴器に音声を拾われないようにする方法とは?
非合法な盗聴器の音声から聞こえてくる内容は?
盗聴器はスマホに自動応答アプリを入れるだけ
盗聴器の周波数はUHF帯の3波をスキャンする
盗聴はアプリをスマホに入れればできる時代
ラジオライフ編集部
最新記事 by ラジオライフ編集部 (全て見る)
- 大きめモニターでプレビューできる暗視スコープ - 2024年10月9日
- NHK受信料の割増金はなぜ「2倍」になったのか? - 2024年10月9日
- いまだ高速でETC利用でない人がいるのはなぜ? - 2024年10月9日
- DJ-X82の受信周波数の拡大改造方法が判明した! - 2024年10月8日
- NHK受信料が義務化されたのはいつからなのか? - 2024年10月8日
この記事にコメントする
あわせて読みたい記事
仕掛けられた盗聴器のタイプでわかる犯人の目的
アナログ盗聴器が以前より増えている理由とは?
仕掛けられた盗聴器からどんな内容が聞こえる?
90年代に390MHz帯の盗聴器が爆発的に売れた理由
オススメ記事
2021年10月、ついに「モザイク破壊」に関する事件で逮捕者が出ました。京都府警サイバー犯罪対策課と右京署は、人工知能(AI)技術を悪用してアダルト動画(AV)のモザイクを除去したように改変し[…続きを読む]
モザイク処理は、特定部分の色の平均情報を元に解像度を下げるという非可逆変換なので「モザイク除去」は理論上は不可能です。しかし、これまで数々の「モザイク除去機」が登場してきました。モザイク除去は[…続きを読む]
圧倒的ユーザー数を誇るLINEは当然、秘密の連絡にも使われます。LINEの会話は探偵が重点調査対象とするものの1つです。そこで、探偵がLINEの会話を盗み見する盗聴&盗撮テクニックを見ていくと[…続きを読む]
盗聴器といえば、自宅や会社など目的の場所に直接仕掛ける電波式盗聴器が主流でした。しかし、スマホ、タブレットPCなどのモバイル機器が普及した現在、それらの端末を利用した「盗聴器アプリ」が急増して[…続きを読む]
おもちゃの缶詰は、森永製菓「チョコボール」の当たりである“銀のエンゼル”を5枚集めるともらえる景品。このおもちゃの缶詰をもらうために、チョコボール銀のエンゼルの当たり確率と見分け方を紹介しまし[…続きを読む]