マル暴刑事が暴力団を取り調べる時のテクニック
通称「マル暴」は広域指定暴力団対策などを扱う刑事部捜査第4課のこと。警視庁では刑事部捜査第4課から独立して組織犯罪対策部第4課になっています。マル暴は柔道や空手の有段者などバリバリの武闘派が集う場所。退官まで30年以上、捜査第4課畑を歩いた元マル暴刑事に暴力団との関係について聞きました。

マル暴の刑事は甘くないと顔を売る
刑事部捜査第4課は、刑事の中でも血気盛んな人間が目指す部署でした。私らの時代は、新人警察官には大学で体育会系だった者や応援団なんかの硬派な人間が多くて、暴力団なんかにナメられてたまるかという気持ちがありましたね。
そもそも警察官になる前に、暴力団と渡り合ってきたような猛者もいましたから。私が若い時は、街で暴力団員が肩で風を切ってエラそうに歩いていたら、即刻しょっぴいてました。
私が肝に銘じていたのは「借りは作らない」「取り引きはしない」「甘やかさない」。マル暴の刑事でもミイラ取りがミイラになった者も見てきました。彼らは甘やかすと、とことんつけ上がります。だから徹底的に取り締まって「マル暴のあの刑事は甘くない」と顔を売るんです。
マル暴の刑事が善し悪しを教え込む
マル暴の取り調べにもテクニックがあります。ただ厳しいだけではダメ。彼ら暴力団員は普段、人間扱いされない面があるので人間として扱ってやることです。母子家庭だったら家族関係のネタに弱いなとか相手の弱いところを把握するんです。
その上でシビれるセリフをいうんですよ。例えば「我々は人を憎まず罪を憎んでるんだよ。あんただって同じ人間だ。切れば赤い血が出るんだろ。法律には血も涙もないけど、そこに血を入れるのがオレの仕事なんだよ」とかね。
マル暴の仕事は分かりやすくいうと、徒党を組んでイキがる生意気な生徒を更生させる教師のようなもの。物事の善し悪しを彼らに徹底的に教え込む役割でしたから。彼らがスゴんできたら、今でも一喝してやります。まだまだ彼らには負けません。
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ラジオライフ編集部

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