交通違反で赤キップもらうと一発免停になる理由

「赤キップで一発免停」というフレーズを聞いたことがあるでしょう。赤キップは重い交通違反で切られるもの。軽微なものは青キップが切られます。じつは青キップで払うのは反則金、赤キップで払うのは罰金。加えて違反点数に応じた行政処分が下されます。赤キップで一発免停になる仕組みを解説しましょう。

赤キップの交通違反は前科が付く

そもそも交通違反で「キップを切る」とは、取り締まりに使う書類が5枚くらいで1綴りになっていて、1枚をピッと外して違反者に交付することからきています。その1枚目が青色なら青キップ、赤色なら赤キップというわけです。

交通違反の中でも軽微なものは「反則行為」と呼ばれ、一定期間中に納付書に書かれた反則金を払えば手続きは済んでしまいます。このとき交付される「交通反則告知書」が青キップです。

一方、一般道で時速30km以上の速度超過などの重い交通違反には「交通切符告知票」が渡されます。これこそが赤キップ。赤キップの場合、反則行為ではなく「刑事罰」として前科が付きます。交通裁判所に呼び出されて裁判を行うのです。

交通違反をすると反則金や罰金とは別に、違反に応じた行政処分が下されることも忘れてはいけません。交通違反をすると付く違反点数は、この行政処分を下すために利用されます。

交通違反が青キップでも免許停止

違反点数はよく「減点される」と表現されますが、正しくは加点方式です。免許を取得すると、もともと0点だったところに交通違反の種類によって点数が付加。累積すると、3年以内の前歴に応じて免許停止などの行政処分が下されるのです。

違反点数は、例えば一般道で時速15km未満のスピード違反なら1点、時速30km以上50km未満だと6点、酒酔い運転は35点など。そして、赤キップが渡されるのは反則行為に収まらない6点以上の重い交通違反です。

違反点数は6点を超えると、前歴がなくても30日の免許停止の行政処分が下されます。「赤キップで一発免停」とは、この行政処分に由来するというわけ。ちなみに前歴がある人は、もっと低い違反点数でも免許停止になることがあります。交通違反が青キップだったとしても、前歴によっては免許停止となることがあるわけです。