オービスが光って見えるのは本当の発光じゃない
無人式の速度取り締まり装置の総称が「オービス」です。オービスにはさまざまなタイプがありますが、いずれも赤外線ストロボとカメラで違反車両を自動撮影します。夜間、オービスを通過する時に赤外線ストロボが赤く光ったように見えた経験があるはず。しかし実際は、オービスの発光でないことがほとんどです。
オービスがポッと赤く光って見えた
高速道路などのオービスには、10.525GHzのレーダー波を使って車速を測定する「レーダー式オービス」と「Hシステム」のほか、道路に埋め込まれたループコイルによって測定する「ループコイル式オービス」「LHシステム」が存在します。
このようにオービスにはさまざまなタイプがありますが、赤外線ストロボとカメラで違反車両を自動撮影するところは同じ。撮影された写真にはクルマのナンバーと運転者が写り込んでおり、測定値が自動的に焼き付けらます。
そんなオービスを通過する時は、速度違反をしていなくても緊張してしまうもの。オービスが発光するかどうか、つい赤外線ストロボに目が行ってしまいます。そして、夜間にオービスがポッと赤く光って見えた経験がある人は多いでしょう。しかし、実際はオービスの発光でないことがほとんどなのです。
オービスが赤く光ったように見えるのは、多くは対向車線を走り去るクルマのテールランプ。その光がオービスの赤外線ストロボ前面のガラスに反射して光って見えるのです。実際にオービスが発光する時は、もっと強烈に赤外線ストロボが光って見えます。
取り締まりをしないオービスもある
ただし、原理的には赤外線ストロボは肉眼ではほとんど見えません。オービスは警告のために赤い可視光を発光させているようです。実際、YouTube動画を検索すれば、オービスの赤外線ストロボの発光を確認できるでしょう。
なお、オービスがすべて作動しているとは限りません。中には、速度取り締まりをしていないオービスもあるのです。とくに、はんぺん型のアンテナが特徴のHシステムのオービスでよく見られます。
というのも、Hシステムの製造メーカーである三菱電機は、2008年にオービス部門から撤退しており、現在はメンテナンスと裁判関係をサポートしているのみ。老朽化の進むレーダー式オービスと同様に、ループコイル式への置換が進んでいます。
四角いアンテナの両脇に赤外線ストロボとCCDカメラが設置されているのがHシステムのオービス。よく見ると赤外線ストロボがなかったり、カメラケース内の中身がなかったり、肝心のアンテナ自体が欠落していたりというケースが続出しているのです。
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