レーザー式を採用した固定オービスが登場した
昨年春、大阪の一般道に新型のオービスが登場したことが話題になりました。このオービス、一見するとループコイル式の「LHシステム」によく似ているのですが、速度測定にレーザー式が採用されているのです。大阪府の資料でその値段も分かったので、あわせて紹介します。
レーダー式オービスはメーカーが撤退
オービスには、これまで大きく分けてスピード測定方法に2種類あり、ひとつは10GHz帯のレーダーを使うもの。そしてもうひとつが、道路下に埋め込まれたコイルを利用して測る「ループコイル式」です。
レーダー式は、三菱電機と松下通信工業(現パナソニックモバイルコミュニケーションズ)が製造していましたが、両社ともオービス事業から撤退したため、撤去が進んでいます。
一方、ループコイル式は地面に一定間隔で2個のコイルを埋め込み、その間の通過時間からスピードを割り出します。こちらは東京航空計器が製造しています。
LHシステムにはない小さな箱が設置
さて、新型オービスが大阪府内で確認されたのは2018年3月のことでした。場所は大阪府豊中市内を通る国道423号線、通称新御堂筋です。
一見すると、東京航空計器製のループコイル式「LHシステム」によく似ています。LHシステムは、測定する走行車線の上からスピード違反車両を撮影する仕組みで、各車線上にCCDカメラとストロボの組み合わせが横に並びます。
豊中市に新設されたオービスでは、LHシステムのCCDカメラ+ストロボに加え、道路脇に小さな箱が設置されていました。当初、この箱が何に使われているのかよく分かりませんでした。
大阪府の資料からレーザー式と判明
そこで大阪府の資料を見ると、2017年に豊中署とほか1か所のオービス設置について、東京航空計器と契約しています。これが件の豊中市のオービスと考えて間違いなさそうです。金額は約5500万円で、1台あたりにすると2750万円になります。
そして、契約理由のなかで大阪府は「接近する車両の位置をレーザースキャンセンサーで追尾することにより速度を計測し、速度違反車両を自動的に撮影し」と書いています。つまり、豊中市のオービスはレーザー式だということがわかります。
東京航空計器の場合、全国各地で導入中の可搬式オービス「LSM-300」でも速度計測にレーザー式を使っています。豊中市に設置されたオービスは、同社が持つレーダー速度測定技術とLHシステムの撮影方式を組み合わせたものと見て間違いなさそうです。
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