Nシステム設置場所を地図アプリにマップ表示する方法
「Nシステム(エヌシステム)」とは警察が設置している車両ナンバー自動読み取り装置のこと。Nシステムは通過車両のナンバープレートなどをひたすら撮影し続けている、警察の監視カメラです。Nシステムで撮影されたデータは犯罪捜査で車両の追跡に利用されています。そんなNシステムの設置場所を地図アプリにマップ表示して回避する方法を見ていきましょう。
Nシステム設置場所を地図アプリでマップ表示
Nシステムの正式名称は「自動車ナンバー自動読取装置」といいます。Nシステムの読み方は「エヌシステム」です。Nシステムは1986年に初導入・設置されました。
Nシステムは、路上に設置された赤外線ストロボとCCDカメラでナンバープレートを撮影します。設置されるNシステムにはストロボとカメラがそれぞれ独立したものもあれば、一体型のタイプも存在。Nシステムの設置は世代によって形状がさまざまです。
Nシステムが撮影したデータは、犯罪捜査で車両の追跡に利用されます。よく犯行に使われた車両の移動ルートがニュースで報道されたりしますが、これはNシステムの設置場所と撮影データによって解析されたものです。
そんなNシステムの設置場所を地図アプリにマップ表示して回避する方法を見ていきましょう。ここでNシステム設置場所を地図アプリにマップ表示するのに利用するのは「Googleマップ」と「Guru Maps」。どちらもApp Store、Google Playで無料で入手できます。
Nシステム設置場所をグーグルマップに表示
全国のNシステム設置場所を調査しグーグルマップにマッピングしているサイトが「全国Nシステムマップ」です。Nシステム設置場所の最新地理情報は、格納するKML/KMZのファイル形式(KMZはKMLの圧縮版)でデータをサイトからダウンロードできます。
このNシステム設置場所データをグーグルマップやGuru Maps(オフラインマップでパケット代が節約可能)などの地図アプリに読み込ませるのです。すると、地図アプリの目的地までのルート上にNシステム設置場所を表示させられるようになるのです。
具体的なNシステム設置場所を地図アプリにマップ表示する方法は、全国Nシステムマップのプルダウンメニューから最新の「KMLをダウンロード」を選択。「KMLネットワーク~」を選ぶと、容量の小さいKMZデータ(1KB以下)で全国Nシステムマップからダウンロードできます。
Nシステム設置場所をグーグルマップアプリで利用
PC版グーグルマップのマイプレイスから「地図を作成」を選択し、Nシステム設置場所データをインポート。これで同期したグーグルマップアプリでNシステム設置場所を利用できるようになります。
Guru MapsでNシステム設置場所をマップ表示する場合は、メールに添付してスマホに送り、添付ファイルを長押しして「Guru Mapsにコピー」を選択してください。
グーグルマップは今のところ、Nシステム設置場所がわかるNシステムマップ上でルート検索を行い、経路上にNシステムが無いかチェック可能。Guru Mapsの場合は、ナビ画面でもNシステムの設置場所を表示。ルート上にNシステム設置場所があれば迂回して走行すればよいというわけです。
Nシステム設置場所をグーグルマップにマッピング
ここで、Nシステム設置場所を調査しグーグルマップにマッピングした「全国Nシステムマップ」の使い方を見ていきましょう。“n-system”では、調査・分析用に2種類のNシステム設置場所マップを作成しています。
「全国Nシステムマップ」は警察庁仕様Nシステム端末の設置場所を設置時期(世代別)で分類。もう1つの「全国簡易型Nシステムマップ」は、2000年代初頭から都道府県別に展開する簡易型Nシステムの設置場所を見やすくした構成です。
両マップとも同じ数のNシステムをマッピングしているので、設置場所の確認ならどちらを利用しても構いません。ナンバー読取装置としてはNシステムのほかに、都道府県警が設置する「AVI(旅行時間計測端末)」や国土交通省が設置する過積載取締機がありますが、両マップとも表示可能です。
Nシステム設置場所をグーグルマップに色分け表示
具体的には、全国Nシステムマップは警察庁(国)が設置した端末の設置場所を、世代別に分類し色分けして、設置時期に焦点を当てています。例えば、「黒い■(第1世代)」とは、「昭和61(1986)年から平成5(1993)年までの(当初)予算」で設置されたNシステム端末の場所を表しています。
2009年の補正予算で設置されたNシステム端末638式の場所は、青いアイコンで表現された箇所。都道府県が設置した簡易型Nシステムの場所は統一アイコン(えんじ色の◆)で表示しています。
全国簡易型Nシステムマップは、簡易型Nシステムの端末の設置場所をメーカーを特定した上でアルファベットを設定。Nシステム設置場所には古いものから数字を振っていって端末の呼称として設定し、それぞれ独自の色を割り当ててあります。
Nシステム設置場所をグーグルマップにレイヤー表示
例えば、メーカーP(パナソニックモバイルコミュニケーションズ)のNシステム現行機種の設置場所は「P5」というように、数字が大きいほど新しい機種を意味します。調査従事者はこのマップを見ながら補充調査をしたり、Nシステム設置場所マップをメンテナンスするわけです。
なお、下のレイヤーにある警察庁Nシステム端末の設置場所は、財源別の分類。国費で設置された端末の設置場所は青(濃)の■、当初半額は補助金が降りて都道府県が設置した、警察庁仕様に準ずる端末が青(淡)の■で表現してあります。
国費で設置されたNシステム端末は、耐用年限が到来すると国費で新しいものに更新されますが、都道府県が設置したものは都道府県費で更新するので簡易型で更新される場合がほとんど。それらNシステム更新後の設置場所の状態についても最新情報が記載してあります。
Nシステムの設置場所が初めて公となった
Nシステムの設置場所が初めて公のものとなったのは2015年6月。第189回国会衆議院法務委員会で、参考人として警察庁刑事局長が「2015年5月末日現在、警察庁が設置している自動車ナンバー自動読取装置いわゆるNシステムの設置台数は1,511式、同じ仕様の装置を都道府県が179式設置」と答弁しました。
2000年代に入ると国から地方に財源が移譲されたのに伴い、Nシステム端末を都道府県がそれぞれ設置を開始。名称は「車両捜査支援システム」(警視庁)、「悪質重要事件捜査支援システム」(大阪府警)、「緊急配備支援システム」(宮城県警)などバラバラです。
これらは総称して「簡易型Nシステム」と呼ばれています。この簡易型Nシステムは“高度化”された小型のもので、今ではさまざまな場所で設置されるようになりました。
Nシステムで設置場所を増やす最新端末
主な現行のNシステム端末としては、警察庁仕様は2種。パナソニックモバイルコミュニケーションズの警察庁仕様「Ⅶ」(第7世代)は、第5世代端末の更新に使われている現時点での最新機種です。三菱電機の警察庁仕様「Ⅵ」(第6世代)は2009年度補正予算で638式を獲得した際、増設で調達されました。
簡易型Nシステム端末は6種。三菱電機の「MC1」は警察庁仕様の第6世代端末と、同じ筐体を利用したものです。パナソニックモバイルコミュニケーションズの「P5」は一世代前の「P4」とほぼ同じですが、設置場所で見るとコンポーネント周辺にカバーが装着されています。
日立製作所の簡易型Nシステム端末「H3」は、早い時期から高い秘匿性を実現していた「H1」を、さらに小型化した現行機種。富士通の簡易型Nシステム端末「F4」は、赤外線LEDパネルが上下で少し角度を変えてマウントしてワイドな照射で設置場所では2車線をカバーします。
住友電工システムソリューションの簡易型Nシステム端末「S1」はこの手の機種としては珍しく、設置場所では筐体右側面にメーカー名が記載された銘板が見られます。日新電機の簡易型Nシステム端末「NS3」は、ここ数年急速にシェアを拡大して設置場所を増やしている電気機器メーカー(住友グループ)の最新機種です。
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ラジオライフ編集部
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