制限速度10キロオーバーはスピード違反で捕まらない?
スピード違反の取り締まりにはお国柄があって、制限速度4~5キロオーバーでも取り締まる国がある一方で、スピード違反の取り締まり自体をほぼ行わない国もあります。日本にもスピード違反の取り締まり傾向があり、警察が毎年発表する統計を見ることで、その制限速度の傾向をつかむことが可能。制限速度10キロオーバーはスピード違反で捕まるのでしょうか。
制限速度10キロオーバーの悪質度
警察庁では、毎年2~3月に「交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」という統計を発表します。この統計は、その名の通り死亡事故と交通違反の取り締まりについてまとめたもので、現在の最新版は2020年分です。
交通違反の取り締まりに関しては、この統計では違反の種類をジャンル別に区別してまとめられています。例えば、走行車線に関する違反には追い越し禁止や通行帯区分違反などさまざまな種類がありますが、統計では「追越し・通行区分」としてひとまとめにされているのです。
そうしたなか、スピード違反と飲酒関連の違反、過積載については統計が独立しているだけでなく、その程度についても細かく区分して掲載されています。例えばスピード違反であれば、制限速度70キロオーバーと制限速度10キロオーバーでは違反の悪質度が大きく違うため、細かい区分を採用しているのでしょう。
制限速度10キロオーバーの取締り件数
スピード違反については、2020年の取り締まり件数は116万2420件で、交通違反全体のなかでは「一時不停止」に次ぐ2位となっています。さらに、制限速度の超過速度別の件数については制限速度50キロオーバー以上が1万1313件、制限速度30~49キロオーバーが14万7554件で、これら赤キップにあたる違反はスピード違反のなかで約13.7%に留まっています。
青キップにあたる制限速度30キロオーバー未満のスピード違反については、制限速度25~29キロオーバーが23万9883件、制限速度20~24キロオーバーが40万6262件、制限速度15~19キロオーバーが35万7209件と続きます。ところが、制限速度14キロオーバー以下になると取り締まり件数はぐっと減り、わずか199件になってしまうのです。
年間100万件以上あるスピード違反のなかで、制限速度14キロオーバー以下が占める割合は0.1%以下。事実上、制限速度10キロオーバーではスピード違反の取り締まりが行われていないといえるでしょう。ちなみに制限速度10キロオーバーの速度違反の反則金は、普通車で9千円、違反点数は1点です。
制限速度10キロオーバーの速度違反の反則金と点数 | |||
道路種別 | 超過速度 | 普通車 | 点数 |
高速道路 | 35キロ以上40キロ未満 | 35,000円 | 3点 |
30キロ以上35キロ未満 | 25,000円 | 3点 | |
一般道路 | 25キロ以上30キロ未満 | 18,000円 | 3点 |
20キロ以上25キロ未満 | 15,000円 | 2点 | |
15キロ以上20キロ未満 | 12,000円 | 1点 | |
15キロ未満の超過 | 9,000円 | 1点 |
制限速度10キロオーバーで捕まる可能性
とはいえ、道路交通法では制限速度を1キロでもオーバーすればスピード違反になることは確か。制限速度10キロオーバーでもスピード違反になる可能性があるため、制限速度を守った安全運転を心がけたいところです。加えて、最近では生活道路でスピード違反を取り締まる移動式オービス登場。制限速度10キロオーバーでもスピード違反で捕まる可能性が高まっています。
実際、移動式オービスとして全国に導入されている3モデルでは、制限速度が時速30キロの生活道路での取り締まりが実施中。オービスの取り締まり基準とされる制限速度30キロオーバー以下のスピード違反での取り締まり例も報告されています。
取り締まり地点が移動するだけでなく、制限速度時速30キロ以下でも取り締まり対象とする移動式オービスは、従来型のオービス以上に注意が必要といえます。したがって、移動式オービスの取り締まり対策としては、制限速度10キロオーバーも要注意。いままで以上に制限速度を守った安全運転が求められるといえるでしょう。
制限速度10キロオーバーで捕まる確率
制限速度10キロオーバーがスピード違反で捕まるかどうかを2021年版でも確認しておきましょう。2021年調査の「交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」を見ていきます。
制限速度オーバーのスピード違反については、2021年の取り締まり件数は106万4818件で、交通違反全体のなかでは「一時不停止」に次ぐ2位であることは変わりません。制限速度の超過速度別の件数については制限速度50キロオーバー以上が1万2106件、制限速度30~49キロオーバーが14万3567件で、これら赤キップにあたる違反はスピード違反のなかで約14.6%と比率を増やしています。
青キップにあたる制限速度30キロオーバー未満のスピード違反については、制限速度25~29キロオーバーが21万6884件、制限速度20~24キロオーバーが36万2808件、制限速度15~19キロオーバーが32万9255件と続きます。そして、制限速度14キロオーバー以下になると取り締まり件数はやはりぐっと減って198件でした。
年間100万件以上あるスピード違反で、制限速度14キロオーバー以下が占める割合は0.019%ということ。制限速度10キロオーバーでスピード違反の取り締まりに遭う確率はは、ほとんどゼロと考えてよいでしょう。
制限速度10キロオーバーの取り締まり確率
制限速度10キロオーバーがスピード違反で捕まるかどうかを2022年版でも確認しておきましょう。2022年調査の「交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」で確認していきます。
制限速度オーバーの最高速度違反に関しては、2022年の取り締まり件数は93万2260件でした。制限速度の超過速度別の件数については制限速度50キロオーバー以上が1万2396件と微増、制限速度30~49キロオーバーが12万7370件と減少で、これら赤キップにあたる違反はスピード違反のなかで約14.99%と比率を増やしています。
青キップにあたる制限速度30キロオーバー未満のスピード違反については、制限速度25~29キロオーバーが19万2311件と減少、制限速度20~24キロオーバーが31万7498件で減少、制限速度15~19キロオーバーが28万2555件と減少。そして、制限速度14キロオーバー以下になると取り締まり件数は前年より減って130件でした。
年間100万件弱あるスピード違反で、制限速度14キロオーバー以下が占める割合は0.014%ということ。制限速度10キロオーバーでスピード違反の取り締まりに遭う確率はは、相変わらずゼロのままといえるのです。
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ラジオライフ編集部
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