TPZ-D553が採用したアンテナ接栓とセカンドPTT
2016年に発売された5W機のJVCケンウッド「TPZ-D553」は、運用中のチャンネルを変えることなく、別のチャンネルで送受信できる「セカンドPTT」という機能を搭載しました。また、アンテナ接栓はアマチュア機と同じSMA-J型を採用しています。その理由を開発チームに聞きました。

TPZ-D553で採用したアンテナ接栓
TPZ-D503のアンテナ接栓が業務機と同じ“逆接栓”ですが、TPZ-D553ではアマチュア機と同じになりました。これはユーザーからの強い要望で変更された部分といいます。
「TPZ-D503は業務機と同じアンテナ接栓の形状、SMA-P接栓を採用しました。これは業務機ではおなじみの方式で、アンテナを強くぶつけても無線機本体の接栓を壊さないよう、アンテナ側の接栓が壊れるようにできているからです」。
「SMA-J接栓を採用するアマチュア無線機から見れば“逆”ですね。なので、市販品のアンテナへ交換する際には変換コネクタが必要になります。これがホビーユーザーから不満の声をいただいていたので、TPZ-D553はアマチュア無線機と同じ、SMA-J接栓にしました」というわけです。
TPZ-D553のセカンドPTT搭載の理由
セカンドPTTを搭載した理由は「業務無線の現場に行ってみると、腰に2つの無線機を付けている人を意外と多く見かけます。これは会場の中と外といった具合に、2つのグループと通話する必要のある人が結構いる」といいます。
「頻繁にやりとりするわけではないのですが、2つのグループを管理するため無線機を2台持たないといけないシチュエーションは多い」といいます。ただ、いくらTPZ-D553が軽くなったとはいえ、2台持つのは効率的ではありません。
「ならば、無線機を2台持つことなく、1台の無線機にPTTスイッチを2つ設けて、それぞれ別のチャンネルを送受信できれば携行する無線機は1台で済むじゃないか、というのが原点ですね」とセカンドPTTを搭載した理由を話します。
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ラジオライフ編集部

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