デジカメの機能制限を解除「裏ファーム」とは?
「ファームウェア」とは、電気機器に組み込まれた制御用のプログラムのこと。電子部品の塊ともいえるデジカメにも当然、搭載されています。そんなメーカーの公式ファームウェアを書き換えて、制限を非公式に解放するのが「裏ファーム」です。有志によって各メーカーごとに開発されています。

デジカメの制限を非公式に解放する
デジカメには、フルスペックの上位機種と入門用の下位機種があります。下位機種は価格が安い分、機能が制限されているのが一般的。また、同じ機種でも海外版に比べて国内版は機能が抑えられていることもあるのです。
そして、こういった制限を非公式に解放するのが「裏ファーム」。例えば、パナソニックのミラーレスカメラ「LUMIX」といえば、動画撮影に最適なカメラとして有名です。
現在では4K・HDR撮影が可能な高機能タイプも登場していますが、非常に高価で中古でも手を出しづらいのが現状。ここで、裏ファーム「PTool」を使うと、安価で購入できる旧製品を大幅に機能アップが図れるのです。
例えば、1920×1080のフルHD画質で、さらにビットレートやフレームレートを変更し映画のような迫力のある映像が撮れるようになります。対象となる型番は「DMC-G1/G2/GF1/GF2/GF3/GH1/GH2」です。
映像の圧縮比を調整して高画質化
LUMIXに裏ファームを導入する手順は、まず「PERSONAL VIEW」のサイトにアクセスして「FAQs」のタブ内にある「PTool Software」をクリック。「PTool firmware manipulation tool」から「Ptool3d.zip」をダウンロードします。
続いて、パナソニックの公式サイトから機種に対応した公式ファームウェアをダウンロード。圧縮ファイルを解凍するとbinファイルが生成されます。
続いて裏ファーム「Ptool3d.zip」を解凍して「Ptool3.exe」を起動。左下の「Load Firmware」を選択し、先ほど解凍したbinファイルを読み込ます。すると、設定できる項目が表示されるので項目を選んで変更するのです。
今回は映像の圧縮比を調整し、より高画質化を図ってみます。PToolで表示される緑色の文字は、左側がオリジナル(1600000)で、右側が変更後に設定される数値(32000000)。16Mビット圧縮を2倍の32Mビット圧縮にします。
なお、ファームウエアのV**の数字は、ファームアップするバージョンよりも大きいものにするのがポイント。Ptool最下段、A~Jのボタンを「SHIFT」を押しながらクリックすることで設定を保存できます。
カメラ本体でフォーマットしたSDカードのroot直下に、binファイルをコピー。本体に入れ、電源を入れて再生モードにするとバージョンアップがスタートします。裏ファームで圧縮比を調整したLUMIXで実際に撮影してみると、濡れた路面の質感がよりリアルになっていました。