割引率が変更?ETC深夜割引の制度見直しの原因
ETC限定で高速料金が30%オフになる「ETC深夜割引」は、0~4時に走るだけですべての車種が割引対象となることから、高速料金が高くなりがちな長距離トラックによる利用が多い割引でもあります。ところが、長距離トラックによる利用が多いことが別な問題を引き起こすことから、近くETC深夜割引の制度が見直される予定となっているのです。

ETC深夜割引は対象路線が多くて便利
NEXCO3社が実施するETC限定の高速道路割引のひとつ「ETC深夜割引」は、0~4時に高速道路をETC利用で走行した場合、通行料金を30%オフにするというものです。ETC深夜割引はすべての車種区分に適用されるほか、対象路線が幅広いことが特徴です。
ETC深夜割引が対象外となるのは、京葉道路・東京湾アクアライン・第三京浜・横浜新道・横浜横須賀道路・第二神明道路・関門トンネルの7路線のみ。ETC休日割引では対象外になる大都市近郊区間の大部分や名古屋第二環状道路・沖縄道でもETC深夜割引は受けられます。
もともと、NEXCO3社路線にETC深夜割引が導入された目的は、深夜帯に高速道路を積極的に利用してもらうことで、一般道の交通量を減らし沿道の住環境をアップするというものでした。2021年3月に開催された国土交通省の審議会資料によれば、この目的はある程度達成されているとのことです。
ETC深夜割引がSA・PA大混雑の原因に
ところが、ETC深夜割引が行われることで、高速道路の通行量がもともと多い首都圏や関西圏では別の問題が起きています。それは、ETC深夜割引がスタートする0時が近づくと、割引を受ける目的で時間調整を行う車両により東京・大阪周辺のSA・PAが大混雑するというものです。
これは、ETC深夜割引が0~4時に高速道路内にいることで、前後の料金すべてが割引されるという仕組みになっているため。とくに、長距離移動のトラックはETC深夜割引かどうかで通行料金が大きく変わり、西宮IC~東京ICでは大型車の通常料金1万8720円のところ、ETC深夜割引では1万3100円と5000円以上お得なのです。
さらに、ETC深夜割引利用のためにトラックドライバーの深夜労働が増えていることも問題で、国土交通省の審議会でも「割引率を下げ対象時間を拡大」「対象時間帯の走行のみ割引」といった案が検討されています。一般ドライバーにとっても、割引時間帯が延びることはありがたいので、今後の見直し議論の行方に注目です。
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ラジオライフ編集部

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