ICF-M780Nは生産終了ながら感度良好なソニーの定番ラジオ
ソニー「ICF-M780N」の特徴は、AM/FMラジオ放送に加え、短波放送のラジオNIKKEIも受信できることです。似たような機種として、ソニーの中波最強機とも呼ばれる「ICF-EX5MK2」がありますが、ICF-M780Nはそこから同期検波機能を省いたデジタルチューニング版という感じでしょうか。ICF-M780Nは感度良好でソニーのラジオ新定番といえます。ICF-EX5MK2の後継機といわれたICF-M780Nも、すでに生産終了となりました。
ICF-M780Nはソニーラジオでお手ごろ
ソニーのICF-M780Nの受信周波数は、AMラジオ放送が531~1710kHz、FMラジオ放送が76.0~108.0MHz、ラジオNIKKEIは第1放送と第2放送の6波です。ICF-M780NのAM波は内蔵バーアンテナ、FM波とラジオNIKKEIは72.5cmのロッドアンテナで受信します。
ICF-M780Nの選局ボタンは「+/-」ボタンを採用。ダイヤル式より若干、選局に手間がかかってしまうのがICF-M780Nのやや残念なところです。ICF-M780Nの実勢価格は8,900円と、ソニーのラジオとしてはお手ごろ価格といえます。
ICF-M780Nはよく聞く放送局はプリセットボタンに、AM/FM/ラジオNIKKEI合わせて5局まで登録可能。ICF-M780NでラジオNIKKEIを選択すると、周波数ではなくプリセットされている放送帯のチャンネル表示画面が表示される仕様です。
ICF-M780Nにソニーならではのフィルター
ICF-M780Nのスピーカーは10cmと大きく、音声は聞き取りやすく高音もよく出ています。ソニーのラジオならではの切れのいいフィルターを使っているのでしょう。
ICF-M780Nの音質は抜群で、低音から高音までレンジが広く、豊かな音が鳴ります。現在発売されているラジオの中で、ICF-M780Nのは間違いなくトップクラスといえるでしょう。ICF-M780Nは本体サイズに十分な余裕があり、また、電源も容量の大きな単2形乾電池を使用しているため、スピーカーをはじめとする音響設計に無理が無いのです。
ICF-M780NのAMラジオ放送は、地元局の隣接周波数には影響が出ますが、地元局から±18kHz離れれば影響がなく、優れた選択度を持っています。ICF-M780Nは大出力局なら問題なく受信できますし、350km以上離れた南海放送(愛媛県)、四国放送(徳島県)、西日本放送(香川県)などの5kW局も複数受信できたので、AM波の感度はかなり高いと感じました。
ICF-M780Nはソニーの非凡なラジオに昇華
特にICF-M780NのAM波はICF-EX5MK2よりも遠方局をつかまえやすいと感じる場面がありました。ICF-M780Nには同期検波も搭載されていませんし、選択度もそれほど高くないはずなのですが、とてもきめ細かく、1つ1つの音が際立って聞こえる音質のおかげで、音声を聞き取りやすいのです。
ICF-M780Nの受信感度はFM波についても同様で、目的の局の電波が弱く、「サー」というノイズが気になるような場面でも、音声とノイズがしっかりと分離して聞こえます。ラジオNIKKEIも受信しやすい周波数を選択すれば、問題ありませんでした。ICF-M780Nは全般的に感度面は良好です。
ICF-M780Nには特別なストーリーこそ無いものの、ソニーは1つ1つの性能を積み重ねていくことによって弱点を消し、「ごく普通」でありながら非凡なラジオへと昇華させた1台です。
ICF-M780NはICF-EX5MK2の後継機でも生産終了
AM波とFM波の感度がよくて、ラジオNIKKEIも聞けるラジオが欲しいけれど、周波数がダイレクトに表示されないICF-EX5MK2はハードルが高いという人には、周波数がデジタル表示されて、チューニングしやすいICFM780Nが最適です。
なお、ICF-M780Nの電源は単2型乾電池×3本もしくはAC100V。ICF-M780N本体背面には凹部があり、持ち歩くのにとても便利です。ICF-M780Nは野外での遠距離受信には最適でしょう
ICF-M780Nはソニーのラジオの新定番、そしてラジオマニアの新定番機といえるでしょう。生産終了しているICF-EX5MK2の後継機として考えてもよいでしょう。なお、ICF-M780Nもすでに生産終了となっています。
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