海外放送を受信するBCLラジオ選びのポイント
海外から飛んでくるラジオ放送には中波帯(AMラジオ放送帯)もあるので、一般的なAMラジオで聞けます。しかし、本格的に海外ラジオ放送を聞こうとするなら、主用波である短波帯が聞けるラジオ、いわゆるBCL(Broad-Casting Listening)ラジオが必要です。BCLラジオ選びのポイントを見ていきましょう。
BCLラジオで台頭してきた中国製
BCLラジオは1970年代を席巻したBCLブームの際に、ソニーや松下電器産業(現パナソニック)といった大手電機メーカーから発売された高級ラジオ。中波帯から短波帯までの広帯域に加え、FMラジオ放送帯まで受信できる多機能ラジオです。
一般的なAM/FMラジオに比べて格段に高価でしたが、BCLブームに乗って飛ぶように売れました。しかし、1980年代にブームは終焉。各メーカーはBCLラジオから撤退していったのです。
30年以上の時が流れて2017年。国内メーカーで、BCLラジオを製造し続けているのはソニーだけ。その代わりに台頭してきたのが中国製。いわゆる中華ラジオと呼ばれるもので、現在のBCLラジオ市場の中核をなすほどに成長しています。
中華ラジオでは、5,000円程度の入門機から3万円以上の高級機まで、各社豊富なラインアップを誇っています。BCLラジオ選びのポイントを挙げていきます。
BCLラジオで地下放送や暗号放送
名機と呼ばれる往年のBCLラジオは、フィルム式のアナログチューニング。受信音を聞きながらダイヤルを回して、放送波を浮かび上がらせていく操作自体が魅力でした。
現在のBCLラジオの多くは、周波数表示にデジタル方式を採用しています。そのため、狙った周波数にピッタリ合わせられるようになりました。周波数表示があいまいな、指針式やダイヤル式の古いBCLラジオはベテラン向けです。ビギナーは避けましょう。
短波放送は広い範囲に割当てられているので、3.9~21MHzを連続受信できるBCLラジオを選んで下さい。安価な機種だとスペック上は連続受信できていても、実際は「放送バンド」だけをカバーして、歯抜けになっている場合があります。これでは、放送バンド外にある、怪しげな地下放送や暗号放送が聞けません。
BCLラジオは弱い電波を聞きやすくするための機能があるのかもチェックして下さい。受信状態を変える「感度調節」機能や混信を減らす「選択度切替」「同期検波」「SSBモード」といった機能です。特に夜間は隣接周波数との混信が発生しやすいので、これらは効果的に機能します。(文/星浩二)
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ラジオライフ編集部
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