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火器管制レーダーとオービスが使うXバンドとは

昨年12月からニュースを賑わせている、海上自衛隊と韓国海軍間でのレーダー照射問題。その際、火器管制レーダーが使用する電波として、聞き覚えのある「Xバンド」という用語が使われています。Xバンドといえば、レーダー式オービスが照射している電波。その電波をキャッチするのがレーダー探知機です。


火器管制レーダーとオービスが使うXバンドとは


火器管制レーダーはXバンドを使用

無線の周波数帯には「短波帯」「VHF帯」といった呼び方とは別に、1GHz以上には電気関連団体・IEEEが定める「バンド」という名称があります。このうち、一番低い周波数帯は1~2GHzの「Lバンド」。次が2~4GHzの「Sバンド」で、「Cバンド」は4~8GHz、「Xバンド」は8~12GHzです。

Cバンドは今回話題となった軍事レーダーでは、常時回転している捜索用レーダーで使われているもの。このほか、国際通信衛星・インテルサットが利用しています。また、Wi-Fi規格の一つであるIEEE 801n/aも5GHz帯のCバンドを使用しますが、レーダーや通信との干渉を防ぐため屋内利用に制限されています。

そして、火器管制レーダーで使用されているのがXバンドです。Xバンドといえば、より身近なのが自動車のスピード違反の取り締まりでしょう。いわゆるレーダー式の自動速度取り締まり装置・オービスは、Xバンドの電波を違反車に照射。ドップラー効果で変化し跳ね返ってくる電波との周波数差からスピードを割り出します。


レーダー探知機はXバンドを警告

そして、火器管制レーダーの原理も基本的にはレーダー式オービスと同じ。レーダー照射して跳ね返ってくるXバンドの電波の変化から、ターゲットの位置と速度を割り出しています。

市販されているレーダー探知機は、Xバンドの電波をキャッチすることで警察のスピード違反の取り締まり事前に警告する仕組み。かつては自動ドアのセンサーにもXバンドは使われていて、レーダー探知機の誤動作につながっていました。現在は多くが赤外線センサーに切り替わったことで、誤動作が大幅に減っています。

CバンドやXバンド以外で急速に身近となりつつあるのが18~27GHzのKバンドです。この周波数帯は水分子の性質から大気中で電波が減衰しやすく、長距離通信には不向きとされてきました。

しかし、最新の自動車に搭載されることが増えた自動ブレーキアシストなどの安全装置は、Kバンドの電波をセンサーとして使っているのです。短い距離、しかも通信ではなくレーダーであればKバンドでも十分実用的というわけ。自動車向けの安全装置向けとしてKバンド内の24GHz帯が割り当てられています。

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