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かつては誰でも聞くことができた消防無線の魅力

2016年5月31日をもって、150MHz帯の消防無線(140MHz帯の救急無線を含む)は、すべて270MHz帯のデジタル波へと移行。11年かけてデジタル化を完了した消防無線ですが、かつては誰でも聞くことができました。今回は、ラジオライフ1989年10月号に掲載された消防無線記事の一部をご紹介しましょう。


かつては誰でも聞くことができた消防無線の魅力

消防無線の通報から各隊出場の流れ

火災が発生した場合、消防無線ではどのような交信が行なわれるのでしょうか。ここでは東京に近い、ある市(仮に「松川市」とします)でおきた火災をモデルに、通信を再現してみましょう。

まず一般人が119番をすると、地元にある消防本部の指令室に電話がつながります。電話を受けた指令官は、相手を落着かせながら、火事なのか救急なのか、場所はどこか、なにがどのくらい燃えているか、逃げ遅れはいないか…などをテキパキと聞き出し、すばやく所轄の消防署に有線と無線で連絡します。

指令室「(ブザー音)松消本部から各局、出火報! 泉町1234番地において住宅出火。この火災において、泉、大町の各中隊の出場を指令する。以上、松消本部」
消防車「泉中隊は出場中、泉町1234番出火現場」
消防車「大町中隊、出場。泉町1234番出火現場」
指揮車「松消指揮出場! 泉町火災現場!!」

このように、出場を命令された各隊は、出場報告を次々と行って出場してゆきます。この際出場先の番地を必ず報告しますから、すかさずメモをとって、地図で確認するとよいでしょう。

出場の形態は各消防本部ごとで異なりますが、大都市近郊の場合、最低でもポンプ車6台と、特殊車(はしご車など)、救急車、現場の指揮をとる責任者(大隊長など)を乗せた指揮車などが出場します。さらに火災の規模によっては、第2・第3出場などが指令され、車両が増強されます。

消防無線は鎮圧報告までが聞きどころ

さて、やがてもっとも早く現場を確認した車両から、状況報告の第1報が入ります。

消防車「大町中隊出場途上黒煙確認、本火災は延焼中!」
指令室「大町中隊黒煙確認、本火災は延焼中、松消本部了解」

消防無線では、このように必ず通信内容の復唱が行なわれますから、もし火事が遠く、消防車側の通話が受信できなくても、指令側の電波さえ受信できれば、いま、どんな状況なのか判明します。この点は警察無線と大きく違う点ですね。

消防車「大町中隊東側現着、消火栓使用可能。なお現場は住宅5棟、600平米延焼中。第1出場隊のみでは対応不能! 第2出場を要請します。続いて大町中隊長指揮宣言。本現場、大隊長到着まで、大町中隊長が指揮をとる!!」
指令室「5棟600延焼中、第2出場要請並びに指揮代行の件了解。なお建物内に要救助者がいないか、大至急調査せよ」

まず現場に一番早く到着した隊は、指令室に現場の状況を報告し、必要であれば応援を求めます。この火災の場合、5棟、合計600平方メートルも燃えているので、出場した2つの中隊だけでは対応できないという現場の判断で、応援要請がなされました。これから“鎮圧報告”までが、消防無線の一番の間きどころになります。

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