盗聴器発見機は3つのモードを使って追い詰める
室内に仕掛けられた盗聴器を見つけ出す専用グッズが「盗聴器発見機」です。とはいえ、数千円の安価な製品は単なる電波探知器のため、反応し過ぎて逆に不安感が増すばかりです。盗聴器を確実に発見したいのなら、本格的な盗聴器発見機を使うのが得策。盗聴器発見機の使用方法をリポートします。
盗聴器発見機の表示部はLEDだけ
今回は盗聴器発見機の最高級モデル「バグピンガー」で探知してみました。プロユースモデルですが、周波数の知識はなくても操作できます。
というのも、盗聴器発見機「バグピンカー」の表示部はLEDだけ。周波数表示のない専用盗聴器発見機らしいデザインです。盗聴器発見機下部の「R」「P」「D」は3つの探知モードの動作を表しています。
この盗聴器発見機の検出周波数は28~2000MHz。アンテナ接栓はBNC型です。電源は単3形乾電池×4本で、外部電源はDC12V。サイズは67W×166H×36Dmmで、重さは210gとなっています。実勢価格は70,200円です。
盗聴器発見機で盗聴波をキャッチ
実際に盗聴器発見機で盗聴器を追い詰めていきましょう。まずは盗聴器発見機のディテクトモードで、室内から発射されている電波の存在を広くチェック。ディテクトモードにした盗聴器発見機を手に室内を動き回ると、電波の強い場所でLEDが一気に点灯します。
続いて、盗聴器発見機をラジオモードにして28~2000MHzをサーチ。盗聴波の周波数を調べます。盗聴波をキャッチすると盗聴器発見機のスピーカー(イヤホン)から室内音が聞こえる仕組みです。
最後は、盗聴器発見機をピンガーモードにセット。盗聴器発見機が「カッカッ」音を発して盗聴器との距離を測ります。こうして、盗聴器発見機によって額縁の裏側に仕掛けられた電池式盗聴器を発見できました。
盗聴器発見機で盗撮カメラを探知
最近増えているのが、身近なアイテムに擬装して動画を撮影する「盗撮カメラ」や車の移動経路を記録できる「GPS発信機」です。盗聴器だけでなく、そんな盗撮カメラはGPS発信機をまとめて探知できるオールインワン盗聴器発見機が登場しました。
アーカムの「ARK-PR-T9000」は、電波探知機と磁気センサーに光学式レンズ発見機能を盛り込んだ、業界初のオールインワン盗聴器発見機です。盗聴器や盗撮カメラ、GPS発信機をまとめて探知できます。
盗聴器発見機の電波探知機でキャッチするのは、盗聴器のVHF/UHF帯電波や小型カメラの発するWi-Fi電波。しかも一定間隔をあけて10回強い電波を感知すると、再度ボタンを押すまで警告音を出し続けるAI機能まで盗聴器発見機は搭載しています。盗聴器発見機の受信周波数範囲は1~8000MHzと広範囲。電波を受信すると、盗聴器発見機は音やバイブで警告してくれます。ぬいぐるみなどの中に仕掛けられた盗聴器も盗聴器発見機で難なく見つかるでしょう。
盗聴器発見機で隠しカメラを発見
盗聴器発見機の光学式レンズ発見機能は、電波不使用の小型カメラを発見するためのもの。盗聴器発見機背面にある8灯の赤色LEDを発光させてファインダーを覗き込めば、レンズの光の反射から隠しカメラを発見できる仕組みです。点灯・点滅モードが選べます。
盗聴器発見機の磁気センサーは、クルマのフェンダーの裏側など見えない部分に強力な磁石で取り付けられたGPS発信機を探知。盗聴器発見機のフレキシブルケーブルの先端に付けられた磁気センサーが反応する仕組みです。磁気を探知すると盗聴器発見機本体のフラッシュLEDが点灯するので、暗い場所でもGPS発信機を見つけられます。
オールインワン盗聴器発見機の受信周波数は1~8000MHz、電波・磁石・レンズに対応します。電源は内蔵リチウムイオンバッテリー(1,200mAh)で、充電時間は約3時間、稼働時間は8~10時間です。サイズ/重さは約62W×138H×28Dmm/約167g。実勢価格は19,440円です。
盗聴器発見機能付きの受信機を使う
受信機の一部に搭載されているのが「盗聴器発見機能」です。各メーカーの盗聴器発見に対するスタンスが如実に表れているこの機能を求めて、受信機を購入する人も多いようです。受信機の盗聴器発見機能は街中の盗聴波を探し出すのではなく、盗聴被害に悩む人が室内に仕掛けられた盗聴器を探し出すための機能です。
盗聴器発見機能はアルインコの受信機には標準機能として、八重洲無線では「VR-160」に搭載されています。室内に仕掛けられた盗聴器を発見できるという盗聴器発見機能は、どのように使うものなのでしょうか。
盗聴器発見機能は、2段階のステップを踏みます。最初は室内で盗聴波が出ているのかを盗聴器発見機能で調査。外部からの電波の影響やノイズを拾わないように、アッテネータを効かせて盗聴器発見機能の感度を落とします。この状態で、専用バンクに登録された過去に盗聴波として使用実績のある周波数をスキャン。盗聴器発見機能で室内の盗聴波の存在を確認するのです。
盗聴器発見機能の警報音が変化
盗聴器発見機能で盗聴波と思われる周波数が検知されたら、調査は次の段階へ進みます。強く入感した周波数を受信した状態で、受信機から盗聴器発見機能の警報音を発して、盗聴器に拾わせるのです。
盗聴器発見機能付きの受信機を持って室内を動くと、警報音の間隔が変化。盗聴器に近づくほど盗聴器発見機能の警報音の間隔が短くなり、電波の発信源である盗聴器が仕掛けらた場所の直近に来ると連続音になって、教えてくれます。
また、盗聴器発見機能付きの受信機は、警報音の代わりに盗聴器と受信機が近づくことで発する、高音のハウリングを利用して発見する方法も装備。電波や周波数に関する知識がある人にはすぐに使いこなせる機能なので、旅行先のホテルや各種レンタルルームを利用する際の簡易的な盗聴器発見機としてセキュリティチェックに有効です。
盗聴器発見機能で簡易的にチェック
実際に、アルインコの「DJ-X81」の盗聴器発見機能を使って会議室を調査してみましょう。まずはアッテネータで盗聴器発見機能の感度を絞り、外来ノイズの受信を避けながら、盗聴波専用バンクの周波数をスキャンします。これに加えて、自分が作ったバンクをリンクさせることが可能です。
すると、盗聴器発見機能がすぐに399.455MHzでヒットしました。時計の裏側やコンセント回りなど、電源供給が可能な部分にDJ-X81を近づけていくと、強烈なハウリングが発生。三つ叉ソケット擬装型盗聴器を発見できました。DJ-X81の実勢価格は28,000円です。
このほかアルインコの「DJ-X7」は、高性能を追求したモデルではなく、受信の現場での扱いやすさと携帯性を目指した受信機です。シャツの胸ポケットに入る薄さ14.5㎜のカードラジオサイズです。盗聴器で使われている周波数を自動的にスキャンして盗聴器があると判断すると、ディスプレイと警告音で知らせる盗聴器発見機能も付いています。実勢価格は18,500円です。
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ラジオライフ編集部
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