ブルーインパルスのスモークが右にズレてる理由
オリンピック・パラリンピックの開会日に「ブルーインパルス」がカラースモークを使った展示飛行を行ったのは記憶に新しいところです。このブルーインパルスのスモーク、じつは機体の真ん中から出ておらず、わずかに機体の右にずれた位置から出ています。ブルーインパルスのスモークを使った展示飛行の基礎知識を紹介しましょう。

ブルーインパルスのロールには2種類
ブルーインパルスが行う展示飛行の演技は「課目」と呼ばれ、すべてに名前が付いています。そのネーミングの基本は「隊形の名称+空中機動の名称」から構成されています。
空中機動とは「ターン・ループ・ロール」といった航空機の動きのことです。ターンは左右に曲がる水平旋回で、ループは宙返りです。垂直面に円を描くように上昇から降下へ移行します。
ロールはクルクル回転すること。だたし、ロールには2種類あって、1つは航空機が単独で行い、機体を中心に翼を右や左にクルクル回転させる「エルロンロール」です。
ブルーインパルスのスモークは右排気
もう1つのロールが編隊で行う「バレルロール」。原油の単位にも使われるバレルは樽のことで、編隊が樽の内側を、らせん状に大きく回るように飛行するのが由来です。
パイロットの無線から「デルタロール、レッゴー」と聞こえたら、デルタ隊形でバレルロールを行う課目に突入していきます。
ブルーインパルスのパイロットの無線からは、スモークが描く形状によるネーミングも聞こえてきます。垂直面に描いたハートに矢を射る「バーティカルキューピッド」や、星を描く「スタークロス」などは形が分かりやすくて有名です。
スモークの発煙装置は、ブルーインパルス独自の装備。右排気ノズルの直後にスピンドルオイル(機械油)の噴出ノズルが付いており、ここから出たオイルがエンジンの排気で白煙になり、航跡の尾ができるのです。(写真/星智徳)
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ラジオライフ編集部

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