速度違反で15km/h未満で捕まる可能性はほぼゼロ
速度違反は1km/hでもオーバーしたらNG。速度違反は道路交通法に「最高速度を超える速度で進行してはならない」と定められています。しかし、警察の速度違反の取り締まり件数を速度別で見ると、何km/hオーバーから速度違反の取り締まりが行われるかの傾向が見えてくるのです。
速度違反は何km/hオーバーから?
交通安全白書によれば、交通違反の取り締まりで一番多いのが最高速度違反。速度違反はじつに道路交通法違反の取り締まりの25%を占めています。ちなみに、速度違反に次いで二番目に多いのは一時停止違反で19%、三番目は携帯電話使用等違反で15%ほどです。
全体の4分の1を占めるほど取り締まりが行われている速度違反は、事故に直結するだけに警察も力を入れています。一方で、速度違反のほかで意外に多いのが一時停止や携帯電話の違反。くれぐれも注意したいところです。
それでは、速度違反は何km/hオーバーから取り締まりが行われるのでしょうか? これも警察庁が作成した速度違反の資料から読み解くことが可能です。少し古いデータですが、2012年度の速度違反の取り締まり件数は2,221,120件でした。
速度違反で15km/h未満はほぼゼロ
このうち、速度違反の内訳を違反行為別に見てみると、超過15㎞/h未満はわずかに40件だけ。それが15km/h以上20㎞/h未満の速度違反になると715,420件、20km/h以上25㎞/h未満の速度違反は802,358件となるのです。
比率でいえば、15km/h未満の速度違反はわずか0.002%。ほとんどゼロといってよい速度違反でしょう。それが15km/h以上20km/h未満の速度違反で32%、20km/h以上25㎞/h未満の速度違反で36%。15km/h以上25km/h未満の速度違反で、全体の3分の2以上を占めていることになります。
ちなみに、それ以上の速度違反は25km/h以上30㎞/h未満は395,015件で18%、30km/h以上50㎞/h未満の速度違反は284,051件で13%、50㎞/h以上の速度違反は24,236件で1%という数字。25km/h以上の速度違反で全体の3分の1といったところでしょう。
速度違反でオービスは30km/h以上
路上に設置されたカメラと赤外線ストロボで、速度違反者を自動的に撮影する固定式の取り締まり装置が「オービス」です。速度違反でオービスが自動的に撮影する速度は何km/hなのでしょうか?
基本的にオービスは、極めて悪質な速度違反車を撮影することになっています。その目安となるのが、赤キップの速度違反。赤キップとは、違反点数が6点以上の重い違反のとき渡される「交通切符告知票」のことです。赤キップを渡されるということは、交通違反の前歴がなくても最低6点が加算されるため、少なくとも30日の免許停止になります。
そして、速度違反で赤キップとなるのは一般道だと超過30km/h以上、高速道だと超過40km/h以上の速度違反。これがオービスが速度違反で撮影する速度といわれています。このため、オービスに速度違反で撮影されると一発で免許停止といなるわけです。
速度違反でオービス取り締まりは数%
簡単にいえば、オービスは一発で免許停止になるような極めて悪質は速度違反を取り締まるように設定されているといえるでしょう。実際、速度違反の取り締まり方法別の検挙割合にそれがよく表れています。
速度違反の検挙は定置式が53.1%、追尾式が43.6%。これに対して、オービスによる速度違反はわずか3.3%しか占めていません。わずか数パーセントという数字で、オービスがとくに悪質な速度違反を取り締まっていることがわかります。
ちなみに、定置式とはいわゆるネズミ捕りといわれる有人式の速度違反取り締まりとレーダーパトカーによる速度違反取り締まりのこと。追尾式はパトカーや白バイによる追尾での速度違反取り締まりになります。
速度違反から逃げ切ることはできる?
このように速度違反の取り締まりは、追尾式とネズミ捕りがほとんど。そこでふと気になるのは、追尾式やネズミ捕りの速度違反から逃げ切ることができるかどうかです。
追尾式の速度違反に気づいた瞬間というのは、すでにすぐ後ろにパトカーや白バイが接近している状態になります。速度違反を取り締まる交通パトカーはハイパワーモデル。速度違反を逃げ切ることはほぼ不可能です。
有人式の速度違反取り締まりであるネズミ捕りの現場は、速度を測定する計測係、違反車両を止める停止係、違反者に署名させるサイン会場という分業体制。ここで停止係の制止を振り切って逃げる速度違反のクルマがいることが十分に予想できます。
そこで、ネズミ捕りの速度違反取り締まりでは停止係付近に白バイやパトカーを周囲に待機させているのが通常。速度違反車が逃走すれば赤色灯を回した白バイやパトカーに追われることになります。
速度違反でオービスは呼び出し通知
一方、同じ速度違反でも、オービスの場合は無人式です。こちらは後日、ナンバーから判明したクルマの持ち主へ、速度違反の呼び出しの通知が届くことになります。
オービスで撮影された写真には、速度違反車とされるクルマの全体がやや斜めから写った状態。速度違反の写真はモノクロですが、ナンバープレートもフロントガラスの内側もきれいに収められています。
また、速度違反のクルマ全体の写真の他に、ナンバープレートや運転者の顔部分を拡大したアップ写真が添えられる場合も。加えて、そこには年月日、写真番号、制限速度、測定値などの速度違反データが焼き付けられています。速度違反データは後から手動で入れるものではありません。速度違反データが表示された状態で撮影するものです。
オービスの速度違反は信頼できると裁判官は考えます。このため、本人が否定したとしても写真を元に速度違反者を特定し、逮捕することもあるのです。多くの場合、郵便や電話が何度もあって、速度違反者は出頭することになります。
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ラジオライフ編集部
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