マル暴刑事がクルマで張り込むとすぐバレる理由
組対4課といえば、ヤクザと対峙する通称・マル暴刑事のこと。警視庁組織犯罪対策第4課は、2003年に発足した組織犯罪対策部の中でも、広域暴力団対策に取り組みます。元警視庁組織犯罪対策部の刑事だった江藤氏(仮)に、マル暴刑事の捜査や警察用語について解説してもらいました。
マル暴刑事は家屋から張り込み捜査
マル暴刑事が組員関係を張り込み捜査する時、対象を監視できる家屋から張り込むことが多いといいます。それは、マル暴がクルマで見張っていると服装から目立ってバレやすいというのが理由です。
「張り込みは必ず2人1組で行います。運転席と助手席に男2人が座っていたらさすがに怪しいので、車内の前後に分かれて見張りますが、それでもヤツらはすぐにヅク(気づく)」と話します。
理由として「覆面パトカーにアンテナが付いていたりと、捜査用車両とバレバレなのもあります。あと、ヤクザはマル暴の顔をよく覚えているんですよ。なので私は大抵、近くのマンションなどを借りて見張るようにしていました」とのこと。ヤクザは用心深く、マル暴の顔と覆面パトカーの特徴を大抵覚えているといいます。
マル暴刑事が使う特有の警察用語
一般人に捜査内容が漏れないように警察にはさまざまな警察用語がありますが、マル暴刑事も特有の言葉を使っています。例えば、ヤクザを表す用語だけでも「看板背負っている」「スミ背負っている」「ゲソつけてる」「スジモン」など多様です。
おもなマル暴の警察用語を見ていきましょう。「刺青」は銃撃事件の火薬の飛散痕、「エンコ詰めてる」は暴力団を辞めているという意味。「踊る」は暴れることです。「あいつ、踊るから気をつけろ」などと使用します。
このほか「親・チャカ」は鉄砲で、「子・ギョク」は弾丸のこと、「Z号」は暴力団関係者照会、「マルB・マルG」は暴力団関係者を意味します。「面ぐれ」は顔を知っていることです。(イラスト/シライカズアキ)
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ラジオライフ編集部
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