京都府警サイバー犯罪対策課が強いとされる理由はWinny
PCやインターネットの普及で、今までにない高度な技術を使ったハイテク犯罪が爆発的に増加。全国の警察でサイバー犯罪対策が行われています。中でも際立っているのが京都府警の「サイバー犯罪対策課」です。なぜ京都府警サイバー犯罪対策課がサイバー犯罪に強いとされるのか、その理由はWinny摘発にありました。
京都府警サイバー犯罪対策課の前身部署は3人
京都府警サイバー犯罪対策課の前身となる部署が設置されたのは1999年です。当時の京都府警サイバー犯罪対策課の前身となる部署メンバーは3人。2年後に増員されて京都府警サイバー犯罪対策課が正式発足するものの、その規模は警視庁の数分の1に過ぎませんでした。そんな京都府警サイバー犯罪対策課の名が世に知れ渡るきっかけとなったのが、2003年の「Winny」利用者と作成者の著作権法違反事件です。
ファイル共用ソフト「Winny」については、情報漏洩などの被害が頻発したことから、その摘発は各都道府県の警察がかねてから狙っていました。しかし、開発者が作り上げていた匿名化の仕組みは思ったよりも強固。警察の技官の持っている技術力では歯が立たなかったのです。
そこで、京都府警サイバー犯罪対策課は約40人の捜査員のうち10人をWinny摘発のための専従捜査チームとして投入し、逮捕に至りました(後に作成者は無罪が確定)。また、この事件からさかのぼる2001年、京都府警サイバー犯罪対策課は「WinMX」というファイル共用ソフトの利用者を著作権法違反で逮捕しています。
京都府警サイバー犯罪対策課は強い評価のまま
サイバー犯罪は管轄内だけに限らず、全国どこの事件でも着手できることが特徴。つまり、この事件をきっかけに「P2Pなら京都府警サイバー犯罪対策課で」という意識が高くなり、他の警察本部に先んじて京都府警がサイバー犯罪対策課を強化したというのが通説です。
一方で、実は京都府警自身の不始末が、サイバー犯罪対策課の強化につながったという説もあります。2004年、京都府警は捜査関係書類がインターネット上に漏洩していたと発表。交番勤務の男性巡査が所有する私物のノートPCで2002年に作成されたファイルが、ネットで誰でも閲覧できる状態になっていることが判明したのです。
この京都府警の情報漏洩の原因として指摘されているのが、Winnyを経由して感染するウイルス。すなわち、2002年の時点で漏洩が発覚していたため、京都府警サイバー犯罪対策課は作成者と使用者の逮捕に躍起になったというものです。
とはいえ、京都府警サイバー犯罪対策課は現在も大学の研究室やIT企業と連携して、サイバー犯罪対策を強化し続けています。だからこそ、京都府警サイバー犯罪対策課がサイバー犯罪に強いとされる評価は、今も維持されたままなのでした。
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ラジオライフ編集部
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