時速30km超でなくても捕まる新型オービスの実態
路上に設置された装置でスピード違反を自動で取り締まる「オービス」は、これまで高速道路や主要幹線道路に設置され、その場所を覚えておけば取り締まりを避けることができました。しかし、ここ数年で導入が進んでいる「新型オービス」にはその常識は通用せず、設置場所が移動するだけでなく、生活道路での取り締まりも行われています。
新型オービスはレーザー光で速度測定
「新型オービス」と呼ばれる取り締まり装置は、2016年から各都道府県警で導入されているスピード違反の自動取り締まり装置のこと。「新型」と呼ばれるのは、高速道路や主要国道などに設置されてきた従来型のオービスと異なり、大掛かりな工事を行って設置する必要がないためです。
現在、新型オービスとして確認されているのは、埼玉県警と岐阜県警が固定式で運用する「SWSS」、半可搬式の「LSM-300-HK」、そして可搬式の「MSSS」「LSM-300」「LSM-310」の6モデルです。このうち、SWSSとMSSSはセンシス・ガッツォ製でレーダー波で速度を計測。残り4機種は東京航空計器製でレーザー光で計測する方式です。
固定式の場合、設置場所が移動することがなく、新型オービスであってもその位置を覚えておけばスピード違反の取り締まりを避けることができます。問題は半可搬式と可搬式の新型オービスで、いずれも設置地点を移動できるため、予期せぬ場所でスピード違反の取り締まりを受けてしまう可能性が高くなるのです。
新型オービスに古い探知機は使えない
また、従来型オービスやネズミ捕りで使われているレーダー波が10.5GHz帯なのに対し、新型オービスのSWSS・MSSSはより高い24GHz帯を利用するため、古いレーダー探知機で電波をキャッチできません。レーザー光を利用する4モデルについても同様で、これらの方式に対応した最新型のレーダー探知機が必要です。
可搬式の3モデルでは速度制限30km/hの生活道路での取り締まりも行われており、オービスの取り締まり基準とされる30km/hオーバー以下のスピード違反での取り締まり例も報告されています。さらに、MSSSとLSM-310は撮影がモノクロではなくカラーで行われ、より鮮明な画像で撮影されてしまうといわれています。
取り締まり地点が移動するだけでなく、30km/hオーバー以下でも取り締まり対象とする新型オービスは、従来型のオービス以上に注意が必要です。したがって、新型オービスの取り締まり対策としては、いままで以上に制限速度を守った安全運転が求められるといえるでしょう。
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ラジオライフ編集部
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