コンサートのワイヤレスがデジタル化しない理由
無線機器であるワイヤレスマイクの電波は出力が弱いのですが、使用している建物に近づくと漏れて来る電波を受信可能。この電波を受信すると、アイドルやアーティストの歌声をコンサート会場に入ることなく聞くことができます。そんなコンサートのワイヤレス機器には、あえてデジタル化しない理由があるのです。

ワイヤレスマイクでもデジタル化
ワイヤレスマイクも、他の無線システムと同様に一部でデジタル化が始まっています。しかし、コンサートのワイヤレス機器の世界はちょっと様相が違っていて、デジタル化はあまり進んでいません。
というのも、コンサートで使われるワイヤレス機器は、通信機器というよりも楽器に近い存在。しかも、音声以外にデータを乗せる必要もないため、デジタル化のメリットが少ないのです。
一方で、ワイヤレス機器のデジタル化によるデメリットはしっかり存在します。ごくわずかですが音声の出力が遅延してしまう上に、音質も変化。繊細な感覚を持つアーティストには、これらの点で敬遠されるのです。
イヤーモニターはアナログ方式のみ
チャンネルリストに縛られたくないテレビのロケ取材といった場面ではデジタル波の1.2GHz帯が多用され、大企業の会議など秘匿性を必要とされる現場ではデジタル方式が主流となりつつあります。
しかし、コンサートのワイヤレス機器はまだまだアナログ方式がメイン。「今までアナログ方式で問題が無かったのだから、無理にデジタル方式を選択する必要はない」という判断になるわけです。
また「イヤモニ」とも呼ばれるイヤーモニターは、アナログ方式しか製品化されていません。ボーカルのワイヤレスマイクがデジタル方式でも、イヤーモニターはアナログ方式。制度的にもアナログ方式は存在し続けるため、完全なデジタル化とはならないわけです。
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ラジオライフ編集部

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