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消防無線で東京消防庁だけ互換性ない方式の理由

2016年5月31日の夜に、アナログ波による交信を終えた東京消防庁の無線。以後、デジタル消防無線の運用に完全移行して、市販の受信機では通話内容を聞くことはできなくなりました。特筆すべきはデジタルの方式です。他の消防機関はすべてSCPC方式を採用しているのですが、東京消防庁だけが互換性の無いTDMA方式になっています。


消防無線で東京消防庁だけ互換性ない方式の理由

東京消防庁の消防無線は方面波で運用

日本の消防制度は「自治体消防」で、市町村が独自に消防本部を設置して地域を管轄する方式です。財源的に厳しい自治体では周辺の自治体と共同で「組合消防」を組織しています。

その中にあって異例なのが、東京消防庁。独自消防を組織している稲城市と島嶼部を除いた都内全域を管轄しているのです。

昼間の人口が1,600万人にも達する東京。火災だけではなく、救助や救急要請も格段に多くなります。そこを管轄する東京消防庁は、世界にも類を見ない大組織。消防署は81署あり、分署や出張所含めると合計で292か所も存在するのです。

東京消防庁は管轄内を10個の方面に分けて運用しています。通信を担う消防無線は各方面に方面波が2波、これが10方面分あり20波で、統制波3波と主運用波1波を加えた24波が最低でも必要です。

東京消防庁の消防無線はTDMA方式採用

さらに救急波・受令波・携帯共通波も運用しており、不感地帯用の中継波も必要。少なくとも50波以上を運用していることになるのです。270MHz帯に割当てられたデジタル消防無線は320波あるのですが、東京消防庁が50波以上を占有してしまうと、隣県の消防本部の割当てに影響が出てきます。

そこで東京消防庁の消防無線は、25kHz幅の1波に4チャンネルが入るTDMA方式を採用し、消防と救急業務に使用しているのです。なお、特殊運用される部隊や受令波、全国共通の統制波と主運用波を全国標準のSCPC方式に分けて運用していると推測されます。

なお、県境などの事案では相互応援協定により、他県の消防本部との連携が必要です。このため、消防車にSCPC方式の無線機を搭載して通信しています。

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ラジオライフ編集部

ラジオライフ編集部三才ブックス
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