ネットの活用法や便利なアプリ、お得な買い物テクニックなど知って得する情報を毎日更新しています。

出荷停止中の「ID-52」の気になる受信感度は?

2020年9月に発売されたアイコムの144/430MHz帯アマチュア無線機「ID-52」は、発売当初の出荷は数百台程度といわれ、1か月後の10月末には多くのハムたちの手元に届けられるはずでした。しかし、10月20日に発生した旭化成エレクトロニクスの半導体工場火災により、2021年2月現在も生産がストップしている状態です。


出荷停止中の「ID-52」の気になる受信感度は?


エアーバンダーが注目するID-52発売

航空無線を受信する“エアーバンダー”に人気があるハンディ受信機は、アイコムの「IC-R30」です。IC-R30はデジタル対応の受信機ですが、アナログ機としての評価も極めて高く、2波同時受信&2波同時録音ができるため、特にミリタリーエアーバンドの受信に力を発揮するからです。

しかし、発売から3年も経過すると物足りなさを感じるようになります。それは受信感触に不安定さが付きまとうところ。AMモードのエアーバンドを受信していると不要なノイズを拾って、スケルチが頻繁に開きスキャンやサーチが止まってしまうのです。

対策として、スケルチを標準の「AUTO」から「LEVEL1~2」に設定して感度を少し落とします。これでスキャン&サーチは不用意に止まることなく快適に回り続けますが、感度が落ちている分、遠方を飛行している航空機が発射した電波の受信には弱くなります。

エアーバンダーがIC-R30を使い込んでいくと、このようなウィークポイントが出てくるのです。そして、注目されているのが2020年9月に発売されたアイコムの144/430MHz帯アマチュア無線機「ID-52」になります。


ID-52の安定した受信感触のメリット

ID-52は、2波同時受信機能を搭載していますが、VHF帯とUHF帯のエアーバンドではBバンドでAMモードの設定ができないため、2波同時受信ができません。これはIC-R30との最大の違いであり、最大の欠点です。

しかし、VHF帯エアーバンドの感度がとても良好で、UHF帯エアーバンドでもしっかりとした感度を全域でキープ。そして何より、感度が安定していることです。不用なノイズを拾って、実測で毎秒59チャンネルの高速スキャン&サーチが止まることはありません。安定したスキャン&サーチは受信の現場では強い武器になります。

ID-52の安定性は、録音機能作動時にノイズによって生成される、2秒程度の無音ファイルを激減。録音データの連続再生がスムーズに行くので、アイコム流の周波数データなどを同時に記録する“最強の録音機能”が、さらに活かせるようになったのです。

ID-52は、IC-R30のようにエアーバンドの2波同時受信はできませんが、安定した受信感触はその弱点を上回るほどのメリットがあるのです。

■「アマチュア無線機」おすすめ記事
アマチュア無線機をカジュアル化したUV-5Rとは
UV-5Rをアマチュア無線機として運用する改造
海外仕様アマチュア無線機は日本製でも使用不可
受信機として活用できる最新アマチュア無線機
アマチュア無線の新しい楽しみ方が「WIRES-X」

■「受信機」おすすめ記事
広帯域受信機を4,000円で手に入れる方法とは
盗聴器の発見方法はハンディ受信機のスキャン
DJ-X81の盗聴器発見機能を実際に使ってみた
アイコムIC-R6はテンキーレスでも俊足スキャン
IC-R6のユーザー評価が高い理由は電池の持ち

The following two tabs change content below.

ラジオライフ編集部

ラジオライフ編集部三才ブックス
モノ・コトのカラクリを解明する月刊誌『ラジオライフ』は、ディープな情報を追求するアキバ系電脳マガジンです。 ■編集部ブログはこちら→https://www.sansaibooks.co.jp/category/rl

この記事にコメントする

あわせて読みたい記事

  • ID-52は受信機超えハイスペックを備えた無線機
    ID-52は受信機超えハイスペックを備えた無線機
  • エアーバンド受信「ID-52」がベストバイな理由
    ID-52の受信改造とエアーバンド受信レビューでベストバイな理由

  • オススメ記事

    逮捕者も出た「モザイク破壊」とはどんな技術?

    2021年10月、ついに「モザイク破壊」に関する事件で逮捕者が出ました。京都府警サイバー犯罪対策課と右京署は、人工知能(AI)技術を悪用してアダルト動画(AV)のモザイクを除去したように改変し[…続きを読む]

    LINEのトーク内容を盗み見する方法とその防衛策

    圧倒的ユーザー数を誇るLINEは当然、秘密の連絡にも使われます。LINEの会話は探偵が重点調査対象とするものの1つです。そこで、探偵がLINEの会話を盗み見する盗聴&盗撮テクニックを見ていくと[…続きを読む]

    盗聴はアプリを入れればできる

    盗聴器といえば、自宅や会社など目的の場所に直接仕掛ける電波式盗聴器が主流でした。しかし、スマホ、タブレットPCなどのモバイル機器が普及した現在、それらの端末を利用した「盗聴器アプリ」が急増して[…続きを読む]

    チョコボールのエンゼルを見分ける方法

    おもちゃの缶詰は、森永製菓「チョコボール」の当たりである“銀のエンゼル”を5枚集めるともらえる景品。このおもちゃの缶詰をもらうために、チョコボール銀のエンゼルの当たり確率と見分け方を紹介しまし[…続きを読む]

    空き巣被害に遭いやすい住宅の特徴と正しい防犯対策

    窃盗事件の大半を占めているのが「空き巣」。しかも、空き巣被害の半分以上は住宅が狙われたものです。アナタの家も知らぬ間に泥棒たちに目を付けられている空き巣被害の予備軍かもしれません。空き巣被害に[…続きを読む]