アイコムIC-2730は高感度ながら自主規制が弱点
デジタル無線のD-STARを推進するアイコム。FMモービル機は消滅するのかと思いきや、FM機は必要との判断からでしょう、2014年に「IC-2730」が発売されました。「IC-2720」の後継機なので、進化している部分もありますが、2012年以降のアイコムの姿勢が如実に現れた仕様になっています。

受信感度に定評のあるアイコム
IC-2720で好評だった、フラットで高い受信感度はそのままに、200チャンネルだったメモリーを一気に1,000チャンネルへと5倍増。サーチバンドも5組から25組へと、こちらも5倍増。IC-2720の泣き所を克服した“受信スペック”です。
しかし、これらの5倍増を活かす場は、奪われてしまいました。広帯域受信を売りにしたIC-2720の受信範囲は絞り込まれ、AMモードが設定できた220~360MHzがごっそり落ちているなど、FMモードを含め、IC-2730は受信できない無線局を多数生み出しています。
進化したメモリーがおもしろ無線の受信に活かせないという、ジレンマに陥ることに…。200~300MHz帯の受信感度には定評のあるアイコムだけに、この帯域が受信できないのは、IC-2730にとってウイークポイントになります。
アイコムらしいアマチュアバンド
毎秒17チャンネルのスキャンスピード、受信機を凌駕する毎秒37.4チャンネルのサーチスピードは、モービル機としては俊足。残された受信周波数帯へ贅沢に使いましょう。バンクリンクスキャンも可能なので状況に応じたスキャンが選べます。
そのスキャン&サーチをサポートするのが一時スキップ機能。クルマでの移動中にありがちな、ノイズでスキャンが止まった時に5分、10分、15分の時間だけ、ノイズを発するメモリーをスキップする機能です。5~15分も走ればノイズ源から遠のくので、自動的にスキャンに復帰します。
アイコムらしく、アマチュアバンド付近での感度は抜きん出ており、FMモービル機としての完成度は高いモデルです。
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ラジオライフ編集部

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