BCLラジオ日中対決!中華はソニーを超えたか?
インターネットが普及する以前、世界の文化・音楽・ニュースをリアルタイムに入手する手段はBCLラジオでした。アメリカの最新音楽チャート番組を英語のまま聞いたり、珍局と呼ばれる受信困難な放送局のベリカードを手に入れたり、まるで電波の海を航海するような楽しさが短波放送にはありました。
BCLラジオの頂点がICF-SW7600GR
1970~1980年代にかけて一大ブームを巻き起こした短波放送は、数こそ減ってしまいましたが、今でも日本向けに日本語で放送している海外ラジオ局もあります。そして、国内では短波放送対応のBCLラジオ自体、新製品が発売されなくなってきた一方で、中華ラジオは元気です。
そこで、国産BCLラジオの頂点であるソニー「ICF-SW7600GR」(実勢価格29,480円)と、中華の雄・TECSUNのBCLラジオ「PL-880」(実勢価格28,800円)の性能を比較してみましょう。
音質については、ICF-SW7600GRはまさに「短波放送のために作られたBCLラジオ」という中域が強めの音。しかし、音全体のバランスが崩れるようなことはなく、長い時間音楽番組を聞いても疲れません。
PL-880は、DSP(Digital Signal Processor)を搭載。低音が少し厚めなのが気になるものの、非常に豊かで取りこぼしのないクリアな音を再生。両機種ともヘッドホンを使用すると、FMステレオ受信になります。
BCLラジオの機能の数ではPL-880
BCLラジオとしての受信感度は、両機種とも本当にいい勝負。AMラジオ放送の感度は、ノイズ耐性・選択度・AGCの動作など測定器の値に表れない「設計経験の積み重ね」によるところが大きいため、やはりICF-SW7600GRに軍配が上がります。
FMラジオ放送の感度はDSPを搭載しているためか、電波が弱くなった時のホワイトノイズがPL-880の方がやや少ないため、わずかながらPL-880に分がある印象です。
BCLラジオとしての機能の数ではPL-880が圧倒的。代表的なのは放送局メモリーで、その数は3,500件! 他にも、AMラジオ放送受信時の周波数帯域を2.3~9.0kHzの範囲で選べたり、電波強度のdBu表示、隠しコマンドも用意されています。
このため、BCLラジオビギナーならば安心・安全の日本製でマニュアルもしっかりしたICF-SW7600GRがベスト。冒険心を抑えきれないBCLラジオマニアなら、PL-880という選択肢もアリでしょう。(文/手島伸英)
■「BCLラジオ」おすすめ記事
BCLラジオの定番がソニーのICF-SW7600GR
BCLラジオにも中華ラジオの波が押し寄せている
台湾発BCLラジオは表示と音声にこだわりアリ
中華BCLラジオ旋風を起こした「愛好者」後継機
TECSUNのBCLラジオはソニーと肩を並べる性能
■「中華ラジオ」おすすめ記事
中華ラジオATS-909Xの感度はソニー高級機並み
ラジオ録音に電子ブックも搭載した中華ラジオ
携帯ラジオを買うなら中華ラジオがおすすめ
ソニーのラジオを超えたTECSUN「PL-880」
■「乱数放送」おすすめ記事
今も届く北朝鮮の乱数放送の「暗号」を読み解く
ラジオライフ編集部
最新記事 by ラジオライフ編集部 (全て見る)
- 可搬式オービスの速度違反は15km/h未満は無視? - 2024年11月22日
- Catchyは仕事も私生活も役立つ文章生成サービス - 2024年11月21日
- NHKメッセージ消去の裏技「録画」が通用する理由 - 2024年11月21日
- 譲渡されたテレビのB-CASカードは申請が必要? - 2024年11月21日
- エンタメ制限突破に使えるVPNサービスはどこ? - 2024年11月20日
この記事にコメントする
あわせて読みたい記事
1万円前後のBCLラジオで「D-808」選ぶべき理由
BCLラジオの定番モデル不在が続いている裏事情
アイワが発売したBCLラジオの操作性をチェック
アイワのBCLラジオの中身はTECSUNのOEM製品?
オススメ記事
2021年10月、ついに「モザイク破壊」に関する事件で逮捕者が出ました。京都府警サイバー犯罪対策課と右京署は、人工知能(AI)技術を悪用してアダルト動画(AV)のモザイクを除去したように改変し[…続きを読む]
モザイク処理は、特定部分の色の平均情報を元に解像度を下げるという非可逆変換なので「モザイク除去」は理論上は不可能です。しかし、これまで数々の「モザイク除去機」が登場してきました。モザイク除去は[…続きを読む]
圧倒的ユーザー数を誇るLINEは当然、秘密の連絡にも使われます。LINEの会話は探偵が重点調査対象とするものの1つです。そこで、探偵がLINEの会話を盗み見する盗聴&盗撮テクニックを見ていくと[…続きを読む]
盗聴器といえば、自宅や会社など目的の場所に直接仕掛ける電波式盗聴器が主流でした。しかし、スマホ、タブレットPCなどのモバイル機器が普及した現在、それらの端末を利用した「盗聴器アプリ」が急増して[…続きを読む]
おもちゃの缶詰は、森永製菓「チョコボール」の当たりである“銀のエンゼル”を5枚集めるともらえる景品。このおもちゃの缶詰をもらうために、チョコボール銀のエンゼルの当たり確率と見分け方を紹介しまし[…続きを読む]