クレカ情報が違法売買されるダークウェブの実態
キャッシュレス決済で第三者のクレジットカード情報が不正利用される被害が相次いだのは記憶に新しいところ。じつは、この時に使われたクレジットカード情報の多くは、ダークウェブで売買されたものといわれています。こうしたクレジットカード情報が違法売買される「ダークウェブ」の実態に迫りました。

ダークウェブのクレジットカード売買
ダークウェブでのクレジットカード情報の違法売買は、匿名通信ブラウザ「Tor(トーア)」のサイトで行われています。実際にアクセスしてみると、リンク集などもありクレジットカード情報の専門ショップがすぐに見つかりました。
そこで売られているのは、国際ブランドのクレジットカード情報はもちろん、プリペイドタイプのクレジットカード情報や決済アカウント情報などさまざまです。
価格は、3,000ドルがチャージされたプリペイドタイプのクレジットカード情報であれば140ドル程度と意外に良心的。PINコードも付いてくるので、紹介分には「オンラインショッピングに使える」とあります。
また国際ブランドのクレジットカードの中には、カード情報だけでなく実物のカードも購入できるものもありました。ATMでのキャッシングにも対応しているようですが、実際に送られてくるのはカード情報が書き込まれたクローンカードでしょう。
ダークウェブのクレジットカード配送
ダークウェブで販売されているクレジットカードの配送方法は3種類あり、無料配送なら1週間程度、40ドルで「OverNight Shipping」を利用すれば1~2日でカードが到着するようです。
気になるのが、こうしたクレジットカード情報を購入する時の決済方法。ネット決済といえばクレジットカードですが、違法カード情報の決済がクレジットカードで行われるはずもなく、ダークウェブではBitcoinなどの仮想通貨を使うのが一般的です。
すなわち、匿名のウォレットさえあれば、誰でもダークウェブでこうしたクレジットカード情報を購入できてしまうということ。とはいえ、キャッシュレス決済での不正利用が大きく報じられたことからも分かるように、手に入れたクレジットカード情報を実際に悪用するのは、非常にハードルが高いのも事実です。
またダークウェブ上でクレジットカード情報を入手し、摘発されたケースもあります。今後、こうした違法売買の対策が進むことは間違いありません。