軍用機が使うエアーバンドの割当て周波数は?
航空・海上・陸上自衛隊の航空機が使う、軍用機の航空無線を「ミリタリーエアーバンド」と呼んでいます。また、主な割当て周波数帯が、UHF帯であることから軍用機の航空無線を「UHF帯エアーバンド」とも呼称することがあります。軍用機が使うエアーバンドの割当て周波数はどこなのでしょうか。

ミリタリーエアーバンドの周波数
ミリタリーエアーバンドの割当て周波数はUHF帯の225~400MHzをメインにしてVHF帯の一部を使います。ちなみに民間機が使用するエアーバンドは、割当て周波数がVHF帯にあるので「VHF帯エアーバンド」になります。
なお、民間機の無線機には118~136MHzというVHF帯エアーバンドの周波数しか実装されていないので、UHF帯エアーバンドを使うことはありません。
なので、民間機がVHF帯エアーバンドを使い、軍用機がUHF帯エアーバンドを使うと考えてもいいのですが、軍用機はVHF帯エアーバンドを使うこともあるのです。
航空自衛隊はUHF帯エアーバンドをメインに使用していますが、海上自衛隊と陸上自衛隊の航空部隊はVHF帯エアーバンドを使ってきます(特に陸上自衛隊のヘリ)。とはいえ、民間機のVHF帯エアーバンドではなく、その上にある138~142MHzです。
それでは、軍用機はどのようなコールサインを使っているのでしょう。ちなみに、民間航空機のコールサインは「航空会社+便名」です。
軍用機のエアーバンドのコールサイン
航空自衛隊は「ジャパンフォース」、海上自衛隊は「ジャパンネイビー」などのコールサインが決められていますが、普段はこれらを使用することはまずありません。航空&海上自衛隊機の場合、部隊ごとにニックネームのような英単語が付けられ、これに数字を組み合わせてコールサインにしています。
有名なところでは、政府専用機が白鳥を意味する「シグナス01」を使用しています。陸上自衛隊機は機種ごとにニックネームを設定しているので、ミリタリーエアーバンドからはどの部隊かの判別は難しいでしょう。
陸上&海上自衛隊は、ほぼ固定されたコールサインですが、航空自衛隊のコールサインは、時々変更されます。近隣各国に無線を傍受された際、部隊の動きを分かりにくくするためといわれていますが、変更の数日後にはネットに情報が上がるため、さほど意味はありません。
また、コールサインは防衛機密だと言う人もいますが、防衛省の公文書に一部が記載されているほか、航空祭などでは展示の中にコールサインを使っているものもあり、それほど神経質にならなくてもいいでしょう。
■「自衛隊」おすすめ記事
89式装甲戦闘車が御嶽山に災害派遣された理由
自衛隊の災害派遣の多くの占めるのは陸上自衛隊
ホバリングする陸自のUH-60JAが賞賛された理由
ブルーインパルスのパイロット同士の交信を聞く
ブルーインパルスのパイロットが使う周波数は?
■「無線」おすすめ記事
近くに空港がなくても航空無線が受信できる理由
タクシー無線の周波数をスキャンするコツとは?
JRの鉄道無線は3つの通信方式を使い分ける
覆面パトカー追尾や検問を警察無線から知る方法
ワイヤレスマイクの周波数は新規格に移行中

ラジオライフ編集部

最新記事 by ラジオライフ編集部 (全て見る)
- カプセルトイの定番が道路交通ミニチュアセット - 2023年1月30日
- 闇バイト「たたき」ほか犯罪にまつわる警察用語集 - 2023年1月30日
- ツイートにリプライしてTwitter動画を保存する? - 2023年1月29日
- NHK受信料を滞納している世帯は100万件以上? - 2023年1月29日
- Adobe Expressでスマホでおしゃれ画像デザイン - 2023年1月29日