運転免許に書かれた「中型車に限る」の意味は?
運転免許には「眼鏡等」「普通車はAT車に限る」などといった注記付きになっていることがよくあります。以前はメガネが必要な人やAT限定免許の人などに限られた注記でしたが、最近普通免許を更新した場合「中型車は中型車(8t)に限る」といった注記が付いていたりします。この注記は何を意味しているのでしょうか。
運転免許証「免許の条件等」の項目
運転免許証の中央部分、有効期限の下にある注記が書かれた部分は「免許の条件等」という項目です。ここには、免許証を持つ人が運転する際に制限がある場合に、その内容が記入されます。
例えば、近視のためにメガネ・コンタクトレンズが必要な場合は「眼鏡等」、AT限定で普通免許を取得した場合「普通車はAT車に限る」といった具合です。普通自動二輪で小型限定の場合「普通二輪は小型二輪に限る」と記載されます。
ところが、条件無しの普通免許を取ったはずなのに、最近更新したら条件付きの中型免許や準中型免許になっていた、という人も多いでしょう。これは、2007年と2017年の2回、普通車に関係する運転免許の区分が変わった影響です。
運転免許の区分変更への経過措置
2007年6月1日以前は、普通免許でも車両総重量8t・最大積載量5tまでの自動車が運転できました。しかし、2007年6月2日以降は車両総重量5t・最大積載量3.5tに、さらに2017年3月12日以降は車両総重量3.5t・最大積載量2tに範囲が変更されました。
その代わり、2007年から中型免許が、2017年からは準中型免許が新設されています。しかし、免許区分の変更で運転できなくなるのは不便なため、最初に普通免許を取った時点で運転できた範囲までOK、という経過措置がとられているのです。
そこで、2007年6月1日以前の普通免許は自動的に中型免許となり「中型車は中型車(8t)に限る」と記載されます。同様に、2007年6月2日から2017年3月12日に取得した普通免許は準中型免許に切り替わり「準中型車は準中型車(5t)に限る」と記されるのです。
運転免許の限定解除には技能審査
このような免許区分変更への経過措置は、過去にも何度か行われたことがあります。なかでも有名なのが1965年9月1日の区分変更で、それまで普通免許でも自動二輪車が運転可能だったため、保有者には自動的に自動二輪免許が与えられています。
なお「免許の条件等」欄に書かれた部分を消し、限定無しにする手続きは、限定解除審査と呼ばれます。レーシック手術後「眼鏡等」の限定を外す場合は視力検査だけでOKですが、AT限定や中型車の8t限定などを外すケースは技能審査が必要です。
限定解除審査は、各都道府県の運転免許試験場で受けるのが原則。しかし、免許を取得するケースと同じく、指定教習所で教習を受け合格すれば、技能審査が免除になります。この場合、教習時間は一から免許を取得するより短く、料金も割安です。
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