路線バスの無線から街の交通情報が聞こえてくる
ひと言でバスといっても、営業形態によって2つに大別されます。決められた路線を定期運行する路線バスと、自由な経路で走る観光バスです。どちらもバス無線を使いますが、交信頻度が高く、全国で受信できるのは路線バス。ここでは路線バスの無線にクローズアップします。

路線バスの無線はしばらくアナログ
消防無線と同じ140~150MHz帯に、割当て周波数が点在するのがバス無線です。そもそもはVHF帯の周波数を再編成することが、消防無線のデジタル化の目的でした。
しかし、バス会社は大半が民間企業ということもあってか、バス無線は使用期限を決めたデジタル化の対象にはなっていません。今後は各バス会社の判断で、老朽化した無線機を更新する際にデジタル化していくことになります。
ただ、バス会社は物持ちがいいことで有名。路線バスだと20年以上前の車両が定期運行されるのはザラです。無線機も丁寧に扱われるでしょうから、アナログ波の運用は当分続くでしょう。
地域密着型の交通無線だったタクシー無線も、消防無線と時を同じくしてデジタル率を99%にしました。もう、タクシー無線から道路情報を得ることはできないのです。
路線バスの無線から細かな道路情報
タクシー無線に変わって注目され始めたのが路線バスの無線。市内に張り巡らされた路線網から、地元の細かな道路情報が上がってくるからです。
バス「本社、こちら山海線221です」
本社「山海線221、こちら本社です」
バス「山海線上り線、市営病院付近で火災発生のようです。消防車が集まっており、下り線は通行止め。上り線は1車線通行になって混雑しています」
本社「山海線上り線、市営病院付近で火災発生の模様。下り線は通行止め、上り線は1車線通行、了解しました。山海線221運転手さん、情報ありがとうございます」
道路の混雑だけではなく、火災発生の情報まで聞こえてきました。路線バスの無線からは、街で起こっているいろいろな情報が飛び込んできます。
路線バスは定時運行が使命ですから、交通事故や道路工事など、遅延の原因になるような道路上の異変は逐一報告されます。豪雨の時は冠水、冬期には路面の凍結状態など、ハンドルを握る人には貴重な生の情報が得られるのです。
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ラジオライフ編集部

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