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カセットテープの歴史はいつから始まったのか?

今、カセットテープが秘かにブームです。かつての王道メディアだったカセットテープが、音質の暖かさやデザイン性などから見直され、再び注目されています。2016年は、日立マクセルから1970年代の不朽の名作「UD」カセットが復刻されるなど話題になりました。カセットテープの歴史がいつから始まったのか振り返ってみましょう。


人気が再燃中のカセットテープの歴史を振り返る

カセットテープの歴史は1966年のマクセル国産

カセットテープの歴史は、1966年にオランダ・フィリップス社が無償公開した規格を元に、日立マクセルが生産・販売した初の国産カセットテープ「C-60」から始まります。1968年には、アイワが世界初のラジカセ「TPR-101」を販売開始しました。

1969年には、東京電気化学工業(TDK)が初の音楽専用カセットテープ「SD」を販売。1970年には、ドイツのBASFが世界初のカセットテープのクロムテープ(TYPEⅡ)を発売します。1972年、日立マクセルが音楽用カセットテープ「UD」を発売。カセットテープとしては歴史的なベストセラーになりました。

1974年には、日立マクセルが高級ノーマルカセットテープ「UD-XL」を発売。1978年、住友3Mが世界初のカセットテープのメタルテープ「METAFINE」を発売します。そして、1979年にソニーが初代ウォークマン「TPS- L2」を発売。TDKが初の国産メタルテープ「MA-R」を発売して、カセットテープの歴史に名を刻みました。

カセットテープの歴史は1980年代をピークに低下

この時期、カセットテープが一般的に普及し、オーディオカセットプレーヤーが多くの家庭に導入されます。カセットテープは、レコード盤やリールテープよりも小型で軽量で持ち運びやすく、高音質が得られることから、とくに若者の間で人気でした。

カセットテープの歴史として1980年代になると、カセットデッキが搭載された自動車の普及や、ウォークマンなどのポータブルプレーヤーの登場により、ますます普及しました。この時期が、カセットテープの歴史としてはピークといえるかもしれません。

しかし、CDの普及により、カセットテープの需要は徐々に低下していきます。1982年、日本初のコンパクトディスク(CD)が発売。1985年には日立マクセルがハイポジカセットテープ「XLⅡ-S」を発売します。同年、カセットテープメーカーの1つ、富士フイルムがブランド名を「AXIA(アクシア)」に変更したのも歴史的な出来事です。


カセットテープの歴史がマクセルで再脚光

1986年にはついにCDがアナログレコードの生産量を上回ります。1991年には、ソニーがミニディスク(MD)と最高峰のメタルテープ「Super Metal Master」を発表。2001年、TDKがメタルテープの生産を終了し、メタルカセットテープの国内生産が終了しました。

2000年代に入ると、デジタルオーディオの普及により、カセットテープはほとんど使用されなくなります。しかし、一部のコレクターやアマチュアの音楽制作者たちは、アナログ音源の魅力や、レトロな雰囲気を求めて、カセットテープの使用を続けていました。

このままカセットテープは歴史の幕を閉じると思いきや、2005年にカセットテープの生産・販売が底からV字傾向になります。カセットテープの発売も増加して、2016年に日立マクセルの「UD」が復刻。カセットテープの歴史が再び脚光を浴びるようになって現在に至るというわけです。(文/懐かしのカセットテープ博物館)

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ラジオライフ編集部

ラジオライフ編集部三才ブックス
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