盗聴器の周波数はUHF帯の3波をスキャンする
盗聴波はあなたが想像している以上にはびこっています。受信機を持って外に出て盗聴器の周波数をスキャンすれば、住宅街やオフィス街、そして繁華街と大勢の人が集まる場所で盗聴波が見つかるでしょう。盗聴波を見つけるための基礎知識と、盗聴器の周波数について見ていきましょう。

盗聴器に周波数は割り当てられてない
街に出て、誰かが仕掛けた盗聴器から発射される盗聴波を受信して、その内容を聞くことを“便乗盗聴”といいます。受信対象が盗聴波なので“盗聴”と呼んではいますが、盗聴器の周波数を受信する行為自体は消防無線やエアーバンドを聞くのと同じ“傍受”なので違法性はありません。
しかし、盗聴器の周波数から聞こえてきた内容を他人に話すのはやめましょう。こちらは電波法で禁じられています。これも盗聴器の見つけ方の基本といえるでしょう。
盗聴波には決まった周波数が割り当てられているわけではありません。そもそも、他人のプライバシーを暴くために使われる盗聴器に、総務省が周波数を割り当てるハズがありません。
盗聴器の周波数はUHF帯の3波
なので、盗聴器の周波数に決まりはないのです。とはいえ、盗聴器も大量生産される工業製品です。盗聴器製造に際しては、同じ周波数の製品を作り続けるのが効果的です。
そのため、盗聴器に使われやすい周波数が、できてしまったのです。それはUHF帯の3波。以下の周波数が使われます。
【盗聴器の周波数】
- 398.605MHz(Ach)
- 399.455MHz(Bch)
- 399.030MHz(Cch)
盗聴器の見つけ方は、この3つの周波数を受信機でスキャンします。街で盗聴波を受信したいのであれば、他の周波数をスキャンするより盗聴器の周波数であるUHF帯の3波をスキャンした方が効率がいいのです。
特にクルマで受信をするなら盗聴器の周波数のスキャンは必須です。路地裏から表通りに向かって飛んで来ている盗聴波は、クルマのスピードで移動していると、受信できるのは一瞬。その一瞬のチャンスを逃さないためにも、他の周波数を切り捨てて、盗聴器の周波数であるUHF帯の3波だけをスキャンします。
盗聴器の周波数はオート設定解除
なお、盗聴器の発見するための受信機には表示された周波数に最適な受信モードと周波数ステップが、自動設定されます。ただし、これは割り当て原則によるものですから、盗聴器の周波数には適用されません。
盗聴器を発見するときには、必ず盗聴器の周波数のオート設定を解除して受信モードをFMモードにマニュアル設定します。
また、オートステップ機能が効いていると、盗聴器の周波数である398.605MHzのような端数が入力できません。盗聴器の周波数を受信する時は、自動設定を解除して5kHzステップを設定します。
盗聴器の周波数はVHF帯も存在する
こうして、盗聴器は特定の周波数が使われるようになったわけですが、じつはVHF帯の盗聴器の周波数も存在します。実際、1980年代の盗聴器の周波数はVHF帯の140MHz帯がメインでした。
しかし、140~150MHz帯には消防無線などの大出力の使用者がとても多く、近くに強力局が存在すると盗聴器の周波数が妨害を受けやすいというデメリットがあったのです。この問題を解消するため、盗聴器の周波数は1990年代には使用者が極めて少ない、UHF帯の399MHz帯へ移行しました。
399MHz帯の周波数の盗聴器を最初に作ったとされる開発者によると「盗聴器の周波数に399MHz帯を選んだ理由は、同周波数帯の送信モジュールが入手しやすかったから」といいますが、定かではありません。
そして、分かりやすくするため、盗聴器の各周波数にはA/B/Cのチャンネル呼称が付けられました。VHF帯の盗聴器の周波数はAchが139.970MHz、Bchが140.000MHz、Cchが139.940MHz。UHF帯の盗聴器の周波数はAchが398.605MHz、Bchが399.455MHz、Cchが399.030MHzです。
盗聴器の周波数で140MHz帯が復活
このような経緯で、1990年代はUHF帯の3チャンネルが盗聴器の周波数の主流になっていき、現在まで続いています。ところが、2000年前後に高速道路の無線が399MHz帯でデジタル化。高速道路の沿線では盗聴器の周波数が混信を受けやすくなり、扱いにくくなってしまったのです。
そして、2016年に140~150MHz帯の消防無線やマスコミ無線などが、デジタル化で割当て周波数帯を移行すると、この帯域がクリアな状態に一変。旧来の140MHz帯の周波数の盗聴器が復活しているといいます。
受信マニアの間では、盗聴器の周波数は399MHz帯の探査がメインになっているので、140MHz帯は発見されにくいのでしょう。なお、現在は140MHz帯の周波数の盗聴器は販売されておらず、古参の調査会社が過去に使っていた盗聴器を引っぱり出してきて、仕掛けているようです。
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ラジオライフ編集部

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