本物のパトカーを個人で購入することは可能か?
憧れのパトカーや消防車・救急車を自分で持ちたい…そんな想いを抱いている人も多いでしょう。実際、パトカー仕様っぽく改造した車の写真をネットで見かけることもしばしばです。それでは、レプリカではない本物のパトカーや消防車を一般人が購入することはできるのでしょうか。

パトカーは寿命を迎えるとスクラップ
パトカーに関しては新車・中古とも購入することは不可能です。というのも、新車で納入した段階で寿命まで使うことが前提になっているためです。
この寿命は、およそ13年が基準といわれています。13年といえば、一般車であれば
自動車税が割増になる時期です。パトカーは公用車で税金がかかりませんが、燃費等を考えて設けられた税制にあわせているということでしょう。
もちろん、事故を起こし修理が難しかったり、走行距離が想定以上でメンテナンスが難しくなってきた場合は、その時点で廃車となります。一般的なガソリン車の場合、走行距離が20万kmを超えるとメンテナンスが難しくなるようです。
パトカーが寿命を迎えると廃車手続きが行われますが、その際には転売しない条件で売った自動車会社やカーディーラーへ戻されます。販売元は、そのまま解体業者に持ち込みスクラップにするため、自動車本体だけでなく部品も中古として出回ることはまずありません。
パトカーがダメなら消防車や救急車はどうでしょうか。実はこちらに関しては、条件次第で民間人でも購入することが可能です。
救急車・消防車を民間で持つケース
救急車の場合、そもそも民間側に使う目的が存在します。例えば、小病院に入院している患者の容態が急変し、設備の整った大病院へ移動するといったケースです。そうした際は、一般車両ではなく救命設備を備えた救急車の方が安全に患者を移動できます。
そのため、全国各地の大病院では救急車を自前で購入して持つところが増えています。こうした車両は医師が同乗することから「ドクターカー」と呼ばれ、条件が揃えば緊急車両扱いにすることも可能です。
また、消防車に関しては地域防災のために結成される消防団であれば、合法的に購入することができます。消防団は自治会単位が基本ですが、奈良県天理市にある天理教本部のように、独自で消防団を結成、消防車を持つ団体もあったりします。
中古の消防車がオークションに出品
さらに、消防車に関してはごく稀に中古車が競売やオークションに出されることもあります。例えば、2017年に三重県名張市がはしご車を「Yahoo! 官公庁オークション」へ出品したことがありました。
このオークションでは、売却条件として赤色回転灯やサイレンなどの緊急車両用装備を外し、後日その写真を送るという条件が付けられました。ポンプやはしごを自動車に積んでいけない規則はないので、緊急車両用装備がなければ特殊車両として車検を通すことも可能です。
パトカーと違い、ポンプ車やはしご車などの消防車両は、赤色回転灯を外しても見かけは消防車そのもの。消防車を何としても手に入れたいという人は、オークションサイトをこまめにチェックしてみるとよいでしょう。
■「パトカー」おすすめ記事
交通機動隊と自動警ら隊のパトカーは何が違う?
覆面パトカーの見分け方は追い抜くクルマの車内
パトカーの危険度は赤色灯の形状で見分けられる
パトカーはサイレン音を聞けば緊急性が判別可能
パトカーの車種が「クラウン」ばかりな理由とは
警視庁のパトカーにある「漢字+数字」の読み方
目撃情報が相次ぐ「レーザーパトカー」の取締り
緊急走行時でもパトカーには制限速度があった!?
制限速度ナシのパトカーはどうやって見分ける?
白黒パトカーや覆面パトカーの気になる値段は?