取り締まり件数が大幅増している交通違反とは?
テレビや新聞で交通トラブルのニュースが増えていることもあり、交通違反も増えていると思っている人も多いでしょう。じつはここ数年、交通違反は減り続けています。そんな減少傾向にある交通違反で、取り締まり件数が大幅に増えている違反があります。「歩行者妨害」について詳しく見ていきましょう。
歩行者妨害の取り締まり件数25%増
警察庁が発表する統計資料によると、2019年に交通違反で取り締まられた件数は731万7964件。2018年が775万1092件あったのに対し、5%以上も減少しています。とくに、スピード違反の減少傾向は激しく、2018年123万7730件だったものが2019年には113万7255件と、1年間で10万件以上も減少しているのです。
そのほかの交通違反についても、ほとんどの違反が減少傾向がトレンド。そうしたなか、2018年から2019年で増加した違反が2つありました。それは「歩行者妨害」「一時不停止」です。
歩行者妨害の取り締まり件数を見ると、2018年の18万1290件が2019年は22万9395件となり、数としては5万件近く、率にして25%以上も増えています。一時不停止は、2018年の129万3673件から2019年の132万8154件と、わずかな増加です。
歩行者妨害には、文字通り道路を歩いている人を妨害した場合も含まれますが、こちらは少数派。取り締まられている歩行者妨害のほとんどは、信号のない横断歩道を渡ろうとしている人を無視して一時停止をしなかったケースです。
歩行者妨害の取り締まり強化を要請
道路交通法には交通弱者は最優先に守らなくてはいけないという考え方があるため、横断歩道で自動車や自転車は一時停止するのが基本。なお、2車線以上の道路で横断歩道手前に自動車が止まっていた場合、別車線を走る自動車は歩行者が見えなくても一時停止しないと違反です。
歩行者妨害のなかでも、信号のない横断歩道に歩行者がいたときの一時停止違反は、とくに注意しなくてはなりません。というのも、警察庁が2018年に通達という形で各都道府県警へ取り締まり強化を要請しているためです。
「信号機のない横断歩道における歩行者優先等を徹底するための広報啓発・指導の強化について」という通達が出されたのは2018年10月23日という年末のタイミング。このため、2019年の統計で大幅な件数増となったと考えられます。
現在も通達は有効なので、歩行者妨害の取り締まりには要注意。取り締まり方法は、パトカーや白バイが街中を流している間に発見するほか、横断歩道近くにパトカーや白バイを止めて待ち伏せすることもあります。
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ラジオライフ編集部
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