対北朝鮮ラジオ局は今も妨害電波との戦いが続く
毎夜22時、日本から北朝鮮に向けて流れるラジオがあります。短波ラジオ放送「しおかぜ」です。2005年に開局した対北朝鮮ラジオ局「しおかぜ」は独自の情報や、拉致被害者家族からのメッセージなどを電波に乗せて届けています。しかし、ここまでの道のりは北朝鮮からの妨害電波との戦いの毎日でした。

妨害電波対策に周波数を使い分け
「こちらはJSRしおかぜです。東京から北朝鮮におられる拉致被害者の皆さん、さまざまな事情で北朝鮮に渡って戻れなくなった皆さんへ。放送を通じて呼びかけを行っています」
対北朝鮮ラジオ局「しおかぜ」が放送を開始したのは2005年10月31日です。放送免許を取得したのは2007年3月。2006年9月に当時の総務大臣に国内の送信施設の使用を許可されました。それから正式に放送局の免許が下り、茨城県古河市の八俣送信所から送信しています。
今は3波の周波数を使い分けて、1日2時間30分放送しています。周波数を使い分けるのは、妨害電波対策。最初に北朝鮮から妨害電波が送られてきたのは、2006年4月末でした。それからはずっと妨害電波との戦いです。
妨害電波は電子音を重ねたノイズ
初めは周波数が1波しかないため、妨害をかけられたらずっとかけられっぱなし。どう対策するかを考えて、複数の周波数を申請。2007年からは2波、2008年から3波になりました。ただ、周波数を変えても平均1週間で周波数を追いかけてきて、妨害電波をカブせてきます。
妨害電波とは、具体的には放送の周波数に電子音を重ねてノイズを送ってくるもの。ひどい時は3音くらいを同時にかけてきます。いろいろなパターンがありますが、この音の意図は全く分かりません。
妨害電波は、ほとんどが北朝鮮軍にある送信施設からだという話。元工作員の脱北者からの情報では、平壌付近には送信施設が200か所くらいあるといいます。
■「海外放送」おすすめ記事
1970年代末期の代表的な地下放送を振り返る
地下放送や謀略放送に短波が採用されていた理由
南北朝鮮で繰り広げられた地下放送による電波戦
今も届く北朝鮮の乱数放送の「暗号」を読み解く
北朝鮮が工作員に暗号を送る「乱数放送」が再開
■「BCLラジオ」おすすめ記事
BCLラジオの定番がソニーのICF-SW7600GR
BCLラジオにも中華ラジオの波が押し寄せている
中華BCLラジオ旋風を起こした「愛好者」後継機
TECSUNのBCLラジオはソニーと肩を並べる性能
BCLラジオのおすすめはソニーを超えたPL-880

ラジオライフ編集部

最新記事 by ラジオライフ編集部 (全て見る)
- TVerをピクチャ・イン・ピクチャで再生する方法 - 2023年4月2日
- 大当たりが狙える「遊タイム」のパチンコ攻略法 - 2023年4月1日
- NHK受信料不要のチューナーレステレビの落し穴 - 2023年4月1日
- 超ファミつくで「プレステ風スーファミ」を作る - 2023年4月1日
- 買って分かったチョコボール金のエンゼルの確率 - 2023年3月31日
この記事にコメントする
この記事をシェアする
あわせて読みたい記事

盗聴電波ハンティングのために揃えたい受信機材

途絶えることない盗聴電波の受信にはコツがある

盗聴電波を探してスキャンする周波数は3つだけ

Wi-Fi電波強度測定アプリでルーターの場所調整
オススメ記事

悪質な盗撮犯罪は年々増加傾向にあります。警察庁によると、2021年の盗撮行為による検挙件数は5019件で過去最多を更新。盗撮犯罪は1930件だった2011年から10年間で2倍以上に増えたことに[…続きを読む]

テレビ番組の盗聴特集などを見て、自宅に盗聴器が仕掛けられていないか気になった人は多いでしょう。盗聴器の見つけ方は、そんなに難しいものではありません。そこで、盗聴器の見つけ方をいくつか紹介しまし[…続きを読む]

圧倒的ユーザー数を誇るLINEは当然、秘密の連絡にも使われます。LINEの会話は探偵が重点調査対象とするものの1つです。そこで、探偵がLINEの会話を盗み見する盗聴&盗撮テクニックを見ていくと[…続きを読む]

盗聴器といえば、自宅や会社など目的の場所に直接「盗聴器」を仕掛ける電波式盗聴器が主流でした。しかし、スマホ、タブレットPCなどのモバイル機器が普及した現在、それらの端末を利用した「盗聴器アプリ[…続きを読む]

おもちゃの缶詰は、森永製菓「チョコボール」の当たりである“銀のエンゼル”を5枚集めるともらえる景品。このおもちゃの缶詰をもらうために、チョコボール銀のエンゼルの当たり確率と見分け方を紹介しまし[…続きを読む]