カセットテープの種類と日本の3大メーカーとは
1966年、国産初のカセットテープ「C-60」(日立マクセル)が発売されてから50年、より高音質を求めてさまざまな種類が開発・販売されてきました。LPレコードよりも高価な超高級品のカセットも登場したほどです。カセットテープの種類と、それらの発展に寄与した3大メーカーを詳しく見ていきましょう。

カセットテープには大きく4種類
カセットテープには、大きく分けて4種類のタイプがあります。ノーマル・ハイポジ・フェリクロム・メタルと、それぞれ磁気テープに使われている磁性体が異なるのです。
ノーマル(TYPEⅠ)は磁性体に酸化鉄を使用。ヒスノイズを抑えるローノイズタイプなど、ノーマルテープでも細分化します。ハイポジ(TYPEⅡ)はコバルト添加酸化鉄磁性体を使用。高域出力や保磁力を高めたため、ハイポジションと呼ばれます。
フェリクロム(TYPEⅢ)は、酸化鉄と酸化クロムを2層塗布。プレーヤーのテープポジション切り替えが不要です。メタル(TYPEⅣ)は、磁性体に酸化していない純鉄を使用。最高の音質を誇りますが、製造コストが高く高価格です。
カセットテープの3大メーカー
このようなカセットテープの開発や発展には日本のメーカーが大きく関わり、クオリティを上げてきた面もあります。そんなカセットテープの3大メーカーが、ソニー・日立マクセル・TDKです。
ソニーは、カセットを開発したフィリップス社に特許の無償公開を迫り、その後のカセットの爆発的な普及につなげた立役者。カセット以外にウォークマンなど、ハードも普及させました。
日立マクセルは、1966年に国産のカセットを初めて商品化した草分け的存在。「UD」などでおなじみの、高品質な音楽用カセットシリーズを送り出しました。現在、唯一カセットを販売しています。
TDKは、初の音楽用カセットとされる「SD」を発売。1970年代には、ハイポジの定番となる「SA」や「AD」を生産しました。ベーシックからマニア向けまで、どの製品も性能&信頼性が高いのが特徴です。(文/懐かしのカセットテープ博物館)
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