3代目となったロングセラー受信機の人気の秘密
受信機の製品サイクルが長くなっています。2002年に発売されたロングセラーモデルがエーオーアールの「AR8200MARK3」。MARK3の名の通り、2度のマイナーチェンジを経たモデルです。初代の「AR8200」は1998年の発売で基本設計は20年以上前になりますが、高次元でバランスの取れた性能は今でも高く評価されています。
混変調に強い固定機に似た感度特性
受信機の基本性能で重視されるのが感度。感度が高いほど遠くから飛んできた弱い電波をキャッチして、クリアな音を聞かせてくれるからです。
しかし、感度の測定数値が高くても、よく聞こえるとは限らないのが「受信」の世界。特にハンディ受信機は高感度の設計をすると、近隣の強い電波をより強力に受信してしまい、受信回路を飽和させて「混変調」という不正な受信に陥って、ノイズが増えてしまうからです。
そのため、電波を強力にキャッチできる大型アンテナに接続することを前提に設計されている固定機の感度は控えめ。高性能なアンテナとのバランスを取っているのです。AR8200MARK3の設計も固定機に近く、感度を抑えて混変調に強い特性になっています。
デジタル波にも威力を発揮する受信機
デジタル無線の時代になった今でも、アナログ機のAR8200MARK3はベテランマニアから支持を受け続けています。デジタル波の受信機能はないのですが、アナログ波の12.5kHzステップを半分に狭帯域化したデジタル波が使用する6.25kHzステップを、キレイに切り分けてくれるからです。
周波数の選択性が優れているので、隣接する周波数からの「カブリ」を受けることなくデジタル波の周波数を特定できます。ハンディ機の携帯性を活かして、現場の直近でデジタル波を受信。
音声は聞こえなくても、無線の使用者の動きから割当て周波数が判明します。受信機にとって重要な不正な受信への耐性の高さが、AR8200MARK3の魅力なのです。
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isamu
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