アメリカの25年ルールでスカイラインの盗難多発
各種の規制で右ハンドル車の輸入ができないアメリカですが、製造から25年が経過するとクラッシックカーとして扱われ、輸入が可能になります。そして今、アメリカのカーマニアが最も注目しているのが、日本専用モデルの日産・R32スカイラインGT-Rです。R32スカイラインGT-Rの盗難が多発している理由を見ていきましょう。
25年ルール適用で中古車相場が高騰
日産の「R32スカイラインGT-R」は1989~1994年に製造されたので、全車25年前のクルマとしてアメリカの25年ルールが適用。このため、基本的には右ハンドル車が輸入できないアメリカでも、クラシックカーとして輸入が可能になっています。
R32スカイラインGT-Rの輸出は2014年から始まりました。そして、程度の良い車体がアメリカのオークションで1千万円で落札されたこともあり、国内の中古車相場が高騰したのです。
R32スカイラインGT-Rの総生産台数は、当時としては比較的多い4万3661台。パトカーにも採用されました。程度の良い中古車は、新車価格(450万円)を超えることもあるほどです。
25年ルールの適用が始まるR33GT-R
すると、当然のように、1990年代のセキュリティレベルであるR32スカイラインGT-Rの盗難が多発することになりました。
その中には事故車や走行距離10万km以上、スポーツ走行でボディが痛んでいる個体も多数あります。盗難車はそれらの車体と合体させて1台を作ったり、パーツとして海外に持ち出されているというのです。
次モデルのR33スカイラインGT-Rの製造開始は1995年。こちらも25年ルールの適用が始まります。歴代スカイラインGT-Rの盗難が、今後ますます増加していくことが懸念されています。
25年ルールで各種規制をクリアできる
アメリカの国内で販売されていないクルマは、アメリカの安全基準や排ガス試験を通っていないということになります。このため、基本的には個人が輸入しても一般道を走ることができません。
しかし、製造から25年が経過した車種に関しては「クラシックカー」として登録できる制度があります。クラシックカーとして認められると、アメリカの安全基準や排ガス試験をパスする必要がなく、輸入することが可能になります。これが25年ルールです。
つまり、製造から25年以上を経過しているクルマについては、右ハンドル車が輸入できないなどの規制があるアメリカでも、容易に輸入できるようになるのです。この25年ルールが、特定の人気車種の中古価格高騰につながり、ひいては盗難多発という現象まで招いているのでした。
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