ラジオの遠距離受信「山岳回折と山岳反射」とは
「radikoプレミアム」のエリアフリー機能で、日本全国のラジオ放送がノイズ無しのクリアな音で聞けるようになりました。しかし、昔ながらの遠方から飛んで来るラジオの電波をキャッチする「遠距離受信」を楽しんでいるラジオマニアは大勢います。そして今、AMラジオ放送局がFM補完放送を始めたことで、ラジオの遠距離受信はFM波に人気が集まっているのです。

FM補完放送の送信所を遠距離受信
FMラジオ放送の遠距離受信は、上空にある電離層に突発的に発生する「スポラディックE層」の反射を利用して、500~1,000km離れた放送局を受信する異常伝播のEスポ受信や、高所に移動して見通し距離を稼いで行う直接波の受信がメインでした。
ところが、2014年にAMラジオ放送局がFM補完放送をスタートすると状況が一変。90~95MHz帯にkW級の送信所が全国各地にできると、山岳回折や山岳反射を利用した遠距離受信に移行し始めたのです。
なお、531~1602kHzの電波を使用するAMラジオ放送は、夜間に起こる電離層反射を利用した遠距離受信が主流。500~1,000kmの受信が可能です。しかし、外国局の混信が多く、特に西日本では難しくなっています。
山頂で回り込むFM波で遠距離受信
FM波は山にぶつかるとそこで遮断され、山を越えて行かないのが基本。しかし、山頂に向かったFM波は山頂で回り込んで、切れ込むようにして山の裏側の地域に届きます。これが「山岳回折」です。
山岳回折を利用すると、送信所からは見通せない地域での受信が可能。なお、山岳回折は山頂が平らな山では起こりにくく、山岳回折が起こりやすいのは山頂が鋭く尖った山です。さらに、山岳回折時に利得が上がり、より強力な電波になることがあるのもメリットです。
また、山肌に反射したFM波が飛んでくる「山岳反射」もあります。高い山に反射したFM波が盆地に飛び込んで来たり、別の角度に飛んでいく伝播です。FM波の遠距離受信は24時間安定しているので、山岳部の移動受信も昼間に安心して行えます。
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ラジオライフ編集部

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