JRの往復割引で乗らない区間も購入して安く乗車

JRのキップは遠くの駅まで切符を買うと逆に安くなることがあります。それがJRの往復割引を利用したお得なキップの買い方。JRの往復割引は600キロを超えると乗車運賃に1割引きが適用されます。このため、JRの往復割引はあえて乗らない区間も購入することで、結果的に割引額を大きくして安く乗車できるケースがあるのです。

JRの往復割引は最低1,940円の値引き

JRのキップには、発券担当の係員も覚えきれないようなルールや割引きが存在。その中でもメジャーな割引きがJRの往復割引です。JRの往復割引の適用条件は片道の乗車距離（営業キロ）が601km以上で、行きと帰りが同一区間であれば、2枚を同時に購入することで、乗車券が1割引きになるというもの。JRの往復割引には特急券などの割引きはありません。

営業キロが601～640kmの乗車券は片道9,610円ですが、JRの往復割引によって割引運賃の8,640円になります。すなわち、JRの往復割引は最低でも970円×2＝1,940円の値引きを通年受けられるということです。積極的にJRの往復割引を利用しない手はありません。

例えば、新幹線の東京～新大阪駅間は552.6kmで、乗車券は片道8,750円です。ただし、営業キロが600kmに満たないためJRの往復割引の恩恵が受けられません。

JRの往復割引で乗らない区間も購入

そこで、新大阪駅から先の兵庫県明石市にある朝霧駅（営業キロ605.5キロ）までの乗車券を購入して、JRの往復割引を適用。これにより割引運賃は片道8,640円となって、往復の乗車券はJRの往復割引で割引運賃は正規運賃よりも220円安くなるのです。

さらには、新幹線で東京駅から岡山駅を経由して、瀬戸大橋線の児島駅まで帰省する場合。往路は東京～児島駅のキップを購入しますが、復路は家族に岡山駅までクルマで送ってもらうので、岡山～東京駅のキップを購入しようとします。この場合、JRの往復割引なしで運賃は新幹線自由席を利用すると合計で32,920円です。

これでは往路と復路が同一区間ではないため、JRの往復割引が受けられません。そこで、実際には乗車しない復路の児島～岡山駅を含めた児島～東京駅のキップを出発前に購入してJRの往復割引を適用。すると、JRの往復割引で合計で31,080円となります。JRの往復割引で乗らない区間もあえて購入することで、割引額が大きくなって結果的に1,840円も安く乗車できるのでした。

JRの往復割引でスマートEXも割安

JRの往復乗車券の利用で注意したいのが有効期限。片道乗車券の2倍となります。例えば、新大阪駅～博多駅のケースでは、片道乗車券の有効期限が5日間のため、JRの往復乗車券の有効期限は10日間。このため、出張期間が2週間になる場合はJRの往復乗車券の復路が無効になってしまうのです。

また、交通系ICカードで東海道・山陽新幹線へ乗車する「スマートEX」にも601kmを超える区間についてはJRの往復割引が存在。このため、新神戸駅～博多駅をのぞみ普通車利用（通常期）で往復すると3万140円なのに対し、新大阪駅～博多駅では2万8840円とJRの往復割引で1300円割安です。

さらに、スマートEXの場合はJRの往復割引の有効期限の取り扱いが異なり、予約列車の乗車前であれば、最初の予約日から3か月後まで予約変更を回数無制限で行えます。例えば、2月28日に予約する場合であれば、JRの往復割引で復路のみ予約変更を繰り返すことで最長5月27日まで有効期限を引き延ばすことが可能。紙の乗車券よりJRの往復割引の利便性が高いといえるでしょう。

なお、指定席特急券にJRの往復割引はありません。このため、JRの往復割引は乗車券のみに適用されるため、割引率は総額で数％ほど。ほかの割引きっぷが使える場合は、JRの往復割引とそれらと比較した方がよいでしょう。

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