ICカードで鉄道に乗ると割高になるケースとは?
キップの購入が不要で、タッチするだけで改札を抜けられるICカードは便利なもの。鉄道をよく利用する人なら、どこかの会社のICカードを1枚は持っているでしょう。各種割引サービスがあるICカードもある一方、実はICカードを使うとキップより割高になってしまうケースが存在するのです。
ICカードがキップより割高となる
鉄道やバスの運賃支払いに使える「交通系ICカード」は、JR東日本のSuicaやJR西日本のICOCAなど現在10種類が発行されています。どれも、ICカードが使える鉄道・バスについてはほぼ全国共通で使えます。
交通系ICカードを利用した場合、ほとんどの鉄道会社やバス会社で現金と同額または安い料金設定になっています。さらに、関東地区のPASMO対応バス路線のポイントプログラム「バス得」のような割引サービスもあるため、ICカード利用の方がほぼおトクといえます。
ところが、1社だけ交通系ICカードを利用したときにキップより割高となるケースが起きる会社があります。それは、JR東日本です。JR東日本では、Suica対応路線を東京エリア、仙台エリアのふたつに分けていますが、どちらでも利用方法によってはキップを買った方がおトクになる場合が出てきます。
ICカードよりキップが安くなる理由
ICカード利用よりキップの方が安くなる理由は、JR東日本では消費税分を上乗せする際に10円以下の端数処理を四捨五入するため。例えば東京から高崎線の宮原まで乗る場合、ICカード料金が594円なのに対しキップ利用は590円と4円安くなります。
ちなみに、PASMOに対応する関東の私鉄・バスでもICカード利用で1円単位の料金になることがあります。しかし、こちらの場合はキップを利用すると10円以下の端数はすべて切り上げになるため割高です。また、JR東日本路線でも電車特定区間内だけの利用では切り上げになります。
このJR東日本料金については、どの交通系ICカードを利用しても共通。さきほどの東京~宮原であれば、ICOCAやPASMOを利用した場合でも同じ594円で変わりません。
とはいえ、ICカード利用が割高になるといっても最大4円。割合が1%を超える区間もありません。JR東日本では、モバイルSuica向けに同社路線利用分をJREポイントで2%還元するサービスを2019年10月からスタートしたので、還元分を考えれば割安ともいえます。
ただし、Suica以外の交通系ICカードでJR東日本路線を利用してもポイント対象外になってしまいます。Pasmoなどのユーザーは、JR東日本を利用する際にキップより割高になるかどうかをチェックした方がよいかもしれません。
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