オービスの取扱説明書に書かれている内容とは?
オービスとは、路上に設置されたカメラと赤外線ストロボで自動撮影する無人式の速度違反取り締まり装置のこと。日本に初めて登場したのは1970年代まで遡ります。当初はループコイルによる速度測定でしたが、後にレーダー式が主流になりました。そんなオービスの取扱説明書には何が書かれているのでしょうか。
オービスの取扱説明書に測定可能距離
日本における速度取り締まり機の始祖は、東京航空計器の「オービスⅢ」であったことはご存じの方も多いでしょう。それが知れ渡ったため一般名称化し、路上の速度取り締まり機全般が「オービス」と呼称されるようになりました。
東京航空計器はいわゆる「ループコイル式オービス」「LHシステム」を長年にわたり開発・提供しており、設置形態が異なるものの、どちらも道路に埋設されたループコイルの磁気で速度を計測する仕組みです。
一方、10.525GHzのレーダー波で取り締まる「レーダー式オービス」は旧松下通信工業など、「Hシステム」は三菱電機からリリースされていました。こうした、レーダー波の周波数や、測定可能距離などの性能に関わる部分の一部は各メーカーの取扱説明書に書かれています。
とはいえ、その取扱説明書は大手メーカーのテレビやレコーダーように、公式サイトで公開されていません。基本的には警察に出向き、「開示請求」をして入手するわけです。
可搬式オービスの型番は「LSM-300」
こうした開示請求により入手した資料の一部によって、各オービスの正式名称&型番、仕様の一部などが明らかになります。例えば、東京航空計器の可搬式オービスの名称は「可搬式速度違反自動取締装置」で型番は「LSM-300」であり、計測方式は「レーザースキャン方式」。レーザーパトカーに載っている装置の型番は「LSM-100」で、名称は「車両速度計測装置」です。
また、センシス社の新型オービスについては、代理店の沖電気工業が取扱説明書を作成しています。タイトルは「速度取締装置」で、それぞれ固定式を「SWSS」、可搬式を「MSSS」として仕様を解説しています。
ただし、情報開示請求という正攻法だけでは、本当に重要な項目は分からないことも少なくありません。レーダー波の周波数や測定可能距離などの性能に関する部分は、黒塗りで潰されているからです。そこで、場合によっては別ルートで無修正の取扱説明書を入手し、その隠された数字を明らかにしていくわけです。
なお、2019年6月号のラジオライフ別冊付録では、その無修正版も含めたオービスの取扱説明書の一部をメーカー別に公開しています。
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