減少傾向にある交通違反で増えている違反とは?
最近、テレビや新聞などのメディアで交通事故が取り上げられるケースが増えています。交通事故と交通違反はセットなので、交通違反も増えていると思われがちですが、実はここ数年は減り続けています。一方で、取り締まり件数が20%以上も増えている違反が存在。この違反、実はドライバー要注意でもあるのです。
スピード違反の取り締まりは減少傾向
警察庁が発表する統計資料によると、2018年に交通違反で取り締まられた件数は、放置違反金で済んだ駐車違反まですべて合わせると775万1092件。2017年が847万6158件あったのに対し、1割近くも減少しています。実は、この減少傾向はWebサイトで統計が公開されている2015年以降毎年続いているものです。
とくに、スピード違反の減少傾向は激しく、2015年には183万5930件だったものが2018年には123万7730件と、3年間で3割強も減少。「一時不停止」にトップの座を明け渡してしまいました。
ほかの交通違反についても、トップになった一時不停止を含めてほとんどが減り続けています。そうしたなか、2017年から2018年で増加した違反が3種類ありました。それは「歩行者妨害」「過積載」「騒音運転等」です。
2割以上も増えているのが歩行者妨害
このうち、暴走族が行う空ぶかしが該当する騒音運転等、トラックが対象の過積載を除き、一般的な乗用車や自動二輪車が取り締まり対象になる違反を考えると、歩行者妨害が唯一のものとなります。取り締まり件数を見ると、2017年が14万5292件で2018年が18万1290件となり、2割以上も増えている計算です。
歩行者妨害には、文字通り道路を歩いている人を妨害した場合も含まれますが少数派。取り締まられているほとんどが、信号のない横断歩道を渡ろうとしている人を無視して一時停止をしなかったケースです。
なぜ横断歩道で自動車や自転車が一時停止をしなくてはいけないかというと、交通弱者は最優先に守らなくてはいけないという考え方が道路交通法にあるため。なお、2車線以上の道路で横断歩道手前に自動車が止まっていた場合、別車線を走る自動車は歩行者が見えなくても一時停止しないと違反です。
歩行者妨害の取り締まり強化を要請中
歩行者妨害のなかでも、信号のない横断歩道に歩行者がいたときの一時停止違反は、ドライバー側がとても注意しなくてはならないものになっています。というのも、警察庁が2018年に通達という形で各都道府県警へ取り締まり強化を要請しているためです。
「信号機のない横断歩道における歩行者優先等を徹底するための広報啓発・指導の強化について」というこの通達は、出されたのが2018年10月23日と年末近かったため、2018年の統計にどの程度影響があったかは分かりません。
しかし、現在も通達は有効なので、2019年以降取り締まりが強化されていることは確実です。取り締まり方法は、パトカーや白バイが街中を流している間に発見するほか、横断歩道近くにパトカーや白バイを止めて待ち伏せすることもあるので要注意です。
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tomura
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