厳罰化された「携帯電話使用等」違反の境界線
スマホ片手に自動車を運転することは事故につながりやすいこともあり、警察が「携帯電話使用等」として重点的に取り締まる交通違反のひとつです。また2019年の法改正で反則金や違反の点数がアップし、一発免停の可能性も出てきました。とはいえ、どのようにスマホを使うと交通違反になるか、いまひとつ分かりにくいのも確かです。
携帯電話使用等の罰則が厳しくなった
さまざまな交通違反のなかで、ここ1~2年で罰則が厳しくなったものが2種類あります。ひとつは「あおり運転」で、それまで「車間不保持」という軽い違反で済んでいたことが問題となり、新たに「妨害運転」という違反項目を追加。25~35点という、一発免許取消の重い違反となっています。
そして、もうひとつ罰則が厳しくなった違反が、運転中のスマホやカーナビの操作に関する「携帯電話使用等」というものです。2019年12月1日に道路交通法が改正され、それまで違反の点数が1点または2点だったところが3点または6点となり、一発で免許停止になる可能性が出てきました。
携帯電話使用等のうち、違反の点数が3点となるのは、スマホなどの「無線通信装置」、カーナビなどの「画像表示用装置」を保持して通話を行ったり画面を「注視」した場合で、反則金は普通車で1万8000円です。本体を手に持つことが条件で、無線機のマイクだけ持つ操作は対象外になります。
スマホをカーナビと接続し、ハンズフリーで操作する場合も同様で、スマホ本体を手に持つわけではないので、交通違反とはなりません。この点については、神奈川県警のWebサイトにも「携帯電話を手に持たず、ハンズフリー装置を使用して通話することは違反となりません」と書かれています。
携帯電話使用等で免許取消の可能性
また、スマホを手に持っていても通話も画面の「注視」も行っていなければ、携帯電話使用等の違反にはなりません。さらに、自動車に内蔵されているカーナビについても、タッチパネル操作を行うために画面を「注視」したとしても、3点の違反対象から外れることになります。
一方、違反の点数が6点となるのは「無線通信装置」を通話に使用、または「画像表示装置」の画面を注視したことにより「道路における交通の危険を生じさせた」ケースです。「交通の危険」がどのレベルを指すかは不明ですが、交通違反や交通事故を起こせば該当すると考えてよいでしょう。
違反の点数が6点なので、この場合は反則金が適用されず、裁判が行われたうえで1年以下の懲役または30万円以下の罰金。仮に交通事故を起こした場合、全治30日~3か月のケガを負わせると9点が追加され、違反の点数とあわせて15点となり、無事故無違反を続けていた人も一発で免許取消です。
さらに注意したいのが、6点になる違反については「保持」という要件がない点です。例えば、自動車に内蔵されたカーナビの画面を「注視」していた場合、それだけでは3点の違反対象にはなりませんが、交通事故を起こすと一気に6点の違反となると考えられるわけです。
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ラジオライフ編集部
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